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わてはうつ病ですが、それを受け入れて前向きにゴロゴロと暮らしています。映画関連の情報は、わてのHPを参考にしてください。映画のことでお役に立てれば幸いです
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2010年11月12日

エクリプス/トワイライト・サーガ、日本語吹き替え版

なんでもこの「トワイライト」シリーズは、アメリカなど海外で大ヒットしているらしい。今まで全く関心がなかったけど、ものは試しとシリーズ三作目を見た。ステファニー・メイヤーの原作は5部まで出版されていて、1億部以上のベストセラーになっているそうだ。この映画のターゲットは、十代の女性のようだ。恋愛ファンタジーという描き方で、わてには手に負えない映画の範疇だった。

映画本編開始前に、前2作のあらすじ紹介が丁寧に行われる。この作品から見ても充分に楽しめる仕組みだ。ベラ・スワン(クリステン・スチュアート)は、高校3年生になる女の子だ。どうも第1作からベラとエドワード・カレン(ロバート・パティンソン)はお互いに好意を持っているが、ベラの血液が吸血鬼の大好きな種類らしいのだ。ベラの幼馴染のジェイコブ(テイラー・ロートナ)もベラが好きなのだが、カレンたちと敵対している狼族に属している。

カレンの一族は人間の血を吸わない吸血鬼だが、中には人間を襲う吸血鬼(ヴァンパイア)もいる。特に危ないのが、人間からヴァンパイアになったばかりの集団は自分で自分を制御できないので次々に襲うことがある。ベラとエドワードは高校卒業をまじかにして結婚を意識し始める。でも、プロポーズするだしないがで、ややこしい展開が繰り広げられる。

ジェイコブの仲間たちが人間の背丈よりも大きな狼に変身して、大地をかけるシーンが大変にたくましい。ヴァンパイアの一族と狼一族が一致協力して、強力な敵に立ち向かうことになる。戦いのシーンよりも、男女の三角関係がたっぷりと描かれる。こういうロマンティックな物語が好きな人には、お勧めだろう。わてが見た日本語吹き替え版では、上戸彩がベラの声を担当していた。  

Posted by とらちゃん at 22:20Comments(0)TrackBack(19)2010年映画

2010年11月09日

マチェーテ

ロバート・ロドリゲス監督とクエンティン・タランティーノ監督が作った「グラインドハウス」の架空の映画の予告編から出た企画で、ロバート・ロドリゲスとイーサン・マニキスが共同監督で作った。「マチェーーテ」とは、サトウキビを切る山刀のことでいかつい顔のダニー・トレホが主演だ。銃器よりもマチェーテなどの刃物を使うのが得意で、風体はいかにも悪役だ。ちょっとやそっとで死なない頑丈な体を持ちながら、女性とベッドインするのが苦手という設定が笑ってしまう。悪者の首が吹っ飛んだりえぐい描写が多いけど、喜劇的な演出で見終わると爽快な気分になれる。

メキシコの連邦捜査官だったマチェーテ(ダニー・トレホ)は、麻薬王トーレス(スティーヴン・セガール)の罠にはまり妻子を殺される。数年後、アメリカのテキサス州で不法移民として肉体労働をしているマチューテがいた。その鋭い目つきから、マクラフリン議員(ロバート・デ・ニーロ)の参謀ブース(ジェフ・フェイヒー)から狙撃用ライフルでの暗殺を依頼される。ところが、実際に狙撃場所のビルの屋上に行くと標的のそばにいた側近が標的の足を撃つ。

その標的とは、マクラフリン議員その人だった。議員はメキシコから不法移民防止のために、電流フェンスの設置を目指している強硬派だった。支持率低下にカンフル剤を狙ったやらせの狙撃事件の犯人にされたマチェーテは、アメリカの捜査当局からもメキシコの麻薬組織からも狙われる窮地に陥る。さらに、実の兄弟で牧師のパードレ(チーチ・マリン)が痛めつけられてマチューテの復讐が始まる。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:27Comments(2)TrackBack(25)2010年映画

2010年11月08日

春との旅

小林政広原作・脚本・監督で、働けなくなった老人と孫娘の親類を訪ねていくロードムービーだ。色々な映画祭で受賞歴の多い監督だというのに、わては全く見ていなかった。はままつ映画祭で見ることができてほんとうによかった。祖父(仲代達矢)と孫娘(徳永えり)が生活に困って北海道の海辺の小屋を捨てて、祖父の姉兄弟を頼って旅をする。孫娘は一人でも生きていけるのだが、祖父には無理だ。無鉄砲な生き方をしてきた祖父は、旅を続けるうちに人生を振り返り安息を得ることができた。その旅に無理やり参加させられて、祖父を最後まで見捨てない孫娘の健気な気持ちに涙が止まらない。

自分自身が障がい者であり、母親と同居して生活しているので他人事だとは思えなかった。母親がもしものときは、わてはどうやって生きていくのか不安感がある。この映画の祖父忠男は将来の人生設計もなく、社会的保護を受けることもなく旅に出てしまう。その行動は無鉄砲だが、彼の生きてきた生き方からすれば当然の選択だった。孫娘春(徳永えり)は足が不自由な祖父が心配で、仕方なくついていく。勤め先の小学校が廃校になり給食係の職を失ったので、祖父忠男を決心したのだ。

最初に行ったのは、長男なのに婿に出た重男(大滝秀治)の屋敷だ。家業が成功して大きな屋敷に住んでいる重男は、忠男と一番そりが合わない。なぜ俺のところに来たかと聞かれると、忠男は「一番可能性がないところから回ることにした」と本心を言い相手を怒らせてしまう。でも、重男と妻(菅井きん)は、引退して子供に従うしかないのだと忠男の面倒を見れないのだと謝る。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 20:49Comments(0)TrackBack(15)2010年映画

2010年11月07日

宮城野ディレクターズカット版

今は亡き戯曲家矢代静一1971年作の「写楽考」に含まれている「宮城野」を原作に、酒井雅秋脚本・山崎達璽(たつじ)監督が2008年に映画化した。主演は、原作者の矢代の次女で毬谷(まりや)友子だ。はままつ映画祭で鑑賞した。もうDVDが発売されている映画だが、大きなスクリーンで見る機会を得られたことはうれしいことだった。東洲斎写楽の絵の一部をセットの背景に使い、5人だけの登場人物で描き出す江戸情緒溢れる物語はまさに浮世絵の世界だった。謎の絵師として写楽は興味深く、年増女郎宮城野の切ない生き様に涙が止まらなかった。

寛政6年というので、徳川家斉(いえなり)が将軍だった時代で、「雷桜」や「十三人の刺客」と同時代だ。50年間も将軍の座に君臨した家斉は贅沢三昧の生活をして、幕府を疲弊させた。その結果、貧富の差が拡大して宮城野(毬谷友子)のような女郎が多く誕生する。写楽と思われる男(國村隼)と孫娘おかよ(佐津川愛美)のような、裕福な人々もいる。それに対して、矢太郎(片岡愛之助)は写楽に拾われて絵の写しをさせられている。

写楽と思われる男が絵を描いているシーンがないので、彼がほんとうの写楽かどうかは問題ではない。絵の見本だけあれば、いくらでも同じような絵を描くのが可能だ。歴史上の写楽はわずか10ヶ月の間に140点以上の浮世絵を発表して、姿を消した。その蒸発がこういう物語だったとしても、不思議ではない。

矢太郎と宮城野はお互いに愛し合う仲になる。商売でやっているのに金がない矢太郎は、女将(樹木希林)に多額のツケを借りている。宮城野は、そのツケを自分が稼ぐことで払っている。父親に売られたときも、投げやりな気持ちで納得してしまう。映画冒頭で宮城野がしゃべているのは、縄で縛られているのでお白砂の上だとわかる。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 22:08Comments(0)TrackBack(1)2010年映画

2010年11月04日

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

他の地方では5月に公開された作品が、やっと10月下旬になってやってきた。ジョニー・トー監督の作品は今までに見たことがなかったけど、こういうハードボイルトな映画が大好きだ。香港・フランス合作でカンヌ映画祭にも出展された。香港の俳優だけでなく、フランスのジョニー・アリディが加わっているのですばらしいアクセントになっている。娘家族を殺されたフランス人の初老の男性が、異邦の地で復讐を遂げる姿が多種多様なガンを使って激しく描かれている。リアルな描写だけでなく、ときにファンタジーな映像もいい。

マカオの高級住宅街でフランス人女性アイリーン(シルヴィー・トンプソン)は、料理をしている。雨が激しく降る中、夫と二人の子供が帰ってくる。子供の雨具を取ったら、誰かが玄関のチャイムを鳴らす。夫がのぞき窓から外を見ると、いきなり銃で撃たれてしまう。アイリーンは子供二人を連れて2階に隠れるが、彼女だけが奇跡的に助かる。フランスから父フランシス・コステロ(ジョニー・アリディ)がやってくる。喉に呼吸器をつけられた彼女は口が利けないので、コステロは新聞の文字を指で指しながら犯人の特徴を知る。

アイリーンが記憶していたのは、「犯人は3名で、一人の耳を撃ったこと」であった。そして、「復讐してくれ(vengeance:フランス語)」と頼まれる。コステロは言われなくても、そのつもりだったようだ。ウォン刑事(マギー・シュー)から説明を受けたとき、彼は現場写真をポケットに入れる。そして、なぜか写真の一枚一枚にマジックで説明を書く。そして、ホテルの部屋に戻ったときに、見知らぬ三人の男に会う。その中一人がピストルを持っているのを見るが、コステロは黙って自分の部屋に帰る。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:57Comments(0)TrackBack(12)2010年映画

2010年11月03日

ソウ ザ・ファイナル3D

ライオンズゲートという映画製作会社を一躍発展させた「ソウ」シリーズの7作目で、3Dにしたものだ。1作目を見たときの感想は思い出しても衝撃的だった。もう張本人のジグソウは死亡していて、その後継者によって殺人ゲームが続けられる。一応生き延びる方法もあるけど、ほとんどの人間が無残な方法で殺されてしまう。そのゲームの対象になる人間はそれなりの理由があるけど、ここまで残虐な手法を使われると映画マニアにしかお勧めできない。わてはこういう映画も好きなので、よく考えて作っていると感じた。

映画の冒頭で前6作の象徴的映像が紹介される。その映像を見ても、予備知識がないとどういう話かわからないだろう。警察関係者で唯一の生き残り、ホフマン刑事(コスタス・マンディロア)はもう仕事をしていない。ジグソウ(トビン・ベル)の遺産で暮らしており、凶行を続けることしか考えていない。一方、ジグソウの妻ジル(ベッツィ・ラッセル)は、静かに暮らすことを望んでいるように見えた。

ある日、繁華街の中でガラス張りの部屋に男2人が電動ノコギリでつながれている。その上には、男2人を手玉に取っていた女性が吊り下げられている。その後、不気味な人形が状況を説明する。男性二人が助かりたければ、女性を犠牲にしろという。衆人注視の中で、惨劇が起きてしまう。その後、人種差別的考えで犯行を繰り返していた白人グループが、犠牲になる。警察は全く手がかりがつかめずに、お手上げ状態だった。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 21:15Comments(0)TrackBack(17)2010年映画

2010年11月01日

SP 野望篇

テレビシリーズは、再放送で見て知っていた。フジテレビのドラマからの映画化だ。岡田准一は、ほんとうに格闘技(カリやジークンドー)の達人らしい。ジェイソン・ボーンの登場する例のシリーズや「ボディー・ガード」などのハリウッド映画と比べてはいけないけど、格闘シーンについてはなかなか頑張っている。ところが、リアルな物語の見せ方や脚本のテンポが悔しい出来なのだ。前半の六本木ヒルズなどのロケシーンがよかったので、そのテンポを最後まで続けて欲しかった。

SPというのは、政府要人が街頭演説などをするときに後ろで鋭い目つきをして立っている人たちのことだ。アメリカのシークレットサービスはもちろん武器を常備しているし、レーガン大統領の暗殺未遂事件を防いでいる。日本のこの映画を見ていると、何十年昔のことを物語にしているのかと思ってしまう。そんなことを書いても仕方がないので、この映画の世界観を尊重して以下の文章を書く。

警視庁警備部警護課第四係の井上薫(岡田准一)は、危険をあらかじめ察知できる能力を持っている。子供のときに両親を暴漢に殺されたことが、彼に危険を察知できる能力を身につけさせたのだろう。加えて、格闘技が得意なのでいつも活躍してしまう。冒頭の六本木ヒルズでの大臣警護シーン、ことごとく井上が察知して襲撃者を全員やっつけてしまう。さらに、地下鉄ホームにまで乗り込んでいって犯人を逮捕する。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 21:54Comments(0)TrackBack(22)2010年映画

2010年10月26日

インシテミル 7日間のデス・ゲーム

米澤穂信の「インシテミル」という小説を、ホラー映画の大家中田秀夫監督が映画化した。ワーナーブラザーズからアメリカ以外の配給が決まっているようで、見終わったときはすごいものを見てしまったと思った。高額な報酬につられてやってきた男女10人が、密室で疑心暗鬼に取り付かれて血みどろの戦いを繰り広げる。映画マニアなら、こういう物語の検証をするのが大好きだろう。107分という密度の濃い時間を過ごすことができた。「カイジ」や「ライアーゲーム」が好きな人なら充分に楽しめる。

フリーターの結城理久彦(藤原竜也)はコンビニでアルバイト情報誌を立ち読みしていると、綺麗な身なりをした須和名祥子(綾瀬はるか)に携帯の画面を見せられる。そこには時給11万2千円というアルバイトの紹介が出ていて、「こういうバイトは危ないですか」と聞かれる。次のシーンでは、フォードのリムジン2台が走っている。その中には男女10人が乗っていて、結城と須和名もいた。人里離れた山奥に到着すると、謎の建物の地下にらせん階段で降りていく。

中に入ると、豪華ホテルのような食事が用意されていた。雇い主からはその施設が「暗鬼館」だと紹介され、時給11万2千円の説明が行われる。閉鎖空間での心理学の実験で、被験者の反応をモニターするという。夜の10時には消灯して、自分の部屋で寝る。廊下に出ていると、マシンで排除される。何か事件が起きたら、自分たちで解決しないといけない。最初の夜それぞれが自分の部屋に入ると、結城は撲殺と書かれたカードと暖炉で使う鉄棒を見つける。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 00:08Comments(0)TrackBack(19)2010年映画

2010年10月22日

雷桜

大河ドラマのような長い年月を描いた時代劇作品だ。叙情豊かな風景を背景にして、人物描写が非常に丁寧なのでわてはたっぷりと涙を流すことができた。どこにラストシーンが落ち着くのかと思っていたら、たっぷりと泣ける演出だった。133分という上映時間は、長いようで短い。岡田将生演じる若殿様が精神的に解放されて自信を取り戻していく過程や、蒼井優演じる天狗と呼ばれた女性が身分違いの恋に苦しむ様子が、たっぷりと描かれている。どこか現実離れしたロケーションは、一種のファンタジーを思わせる。でも、11代将軍徳川家斉の7男で清水徳川家から紀州藩主になったモデル(斉順:なりゆき)がいるので設定がうまい。

将軍家に生まれた清水斉道(なりみち:岡田将生)は、幼いころ父に捨てられた母の悲しい顔が夢に毎日出てくる苦しみを持っていた。それは高い身分にあるものが陥りやすいもので、精神的に自立できていないことだと思う。ほんとうのことを相談できる相手がいない孤独さは、本人にしかわからない。寝床番が居眠りをしていたのに腹を立て、刀を振り回すのは誰も理解者がいないからだ。そんなある日、家臣瀬戸助次郎(小出恵介)が”自分の村には天狗がいる”と興味深いことを言う。人里離れた瀬戸村で静養すれば病気のためにもいいと、清水家一行は出かけることになる。

瀬戸村に到着するや、斉道は一人で馬に乗り天狗がいるという山に入っていく。助次郎は懸命に追いかけるが、馬に乗っている斉道には追いつかない。山奥に入っていくと、謎の人物に出会う。最初は刀とナタで戦うが、最後は取っ組み合いになる。そこで相手が女だと知った斉道は、しばらく抱き合っている。宿舎に帰り助次郎に天狗らしい若い女に会ったというと、それは助次郎の妹の遊(ゆう)だと教えられる。瀬戸村に滞在している間、二人は頻繁に会い仲良くなっていく。そして、斉道は遊に必ず迎えに来るからと言って、別れる。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:29Comments(0)TrackBack(15)2010年映画

2010年10月20日

桜田門外ノ変

茨城県の地域振興のために市民が立ち上がって、吉村昭原作の同名小説を映画化した本格的時代劇だ。市民中心とは言うものの、映画化支援の会にはそうそうたる顔ぶれが名前を連ねている。茨城県知事や水戸市長や茨城県内の自治体の長が勢ぞろいだ。製作費は前売り券とロケセットの入場料を合わせた協力券という形で、相当数を販売したのだと思う。脚本も監督の佐藤純彌も、出演俳優たちも地方主導の映画のレベルを超えている。

映画の冒頭は、江戸城桜田門の現在の映像から始まる。国会議事堂が映されるのは、その方向に大老の井伊直弼の屋敷があったからだ。2億5千万の費用を掛けて作ったセットは、そのまま江戸時代にタイムスリップしてくれる。屋敷の門から江戸城に入るまでの600mを忠実に再現して、リアルな襲撃事件を再現している。脚本が巧みなので、その場にいるような臨場感がある。関鉄之介(大沢たかお)やただ一人の薩摩藩士有村次左衛門(坂東巳之助)たち18名が、井伊直弼(伊武雅刀)一行に切りかかる。

一人が行列の先頭に直訴状を持って近寄り、切りかかる。そして、ピストルを持ったものが井伊直弼の乗る籠に向けて発砲する。それを合図に、見物人を装っていた脱藩水戸藩士が刀を抜く。行列の護衛は大雪のために刀を鞘袋に入れていたので、刀を抜くのに時間が掛かる。不意をつかれた彦根藩の一行の中には、逃げ出すものや鞘袋のまま戦うものもいた。最初のピストルで腹部に傷を負った井伊直弼は、籠から出ることもできずに殺害されてしまう。

白い雪の上に広がる赤い血しぶきは、恐ろしいほどの鮮やかさをしている。わずか数分でことを成し遂げた実行犯は、すぐにその場を立ち去る。井伊の屋敷からは、彦根藩士が出てきて怪我人や死体を引きずって片付ける。原作が史実を詳細に調べているので、迫力が違う。フィクションではないくらいの、現実性がある。映画は、それから実行犯たちの逃亡の様子や1853年のペリーの黒船来航からの出来事を丁寧に描いている。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 00:37Comments(0)TrackBack(20)2010年映画

2010年10月17日

エクスペンダブルズ

シルヴェスター・スタローン監督・脚本・主演の、豪華アクションスター勢ぞろいの痛快アクションだ。スタローンに、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・クローク、ドルフラングレンにカリフォルニア州知事になったアーノルド・シュワルツェネッガーまで出演している。これだけの顔ぶれをそろえたので、さぞ派手なアクションが期待した。その期待はたっぷりとかなえてくれるのだが、なんだかCIAの内輪もめの話が出てきてわからなくなってしまった。わからないというのは、使い捨てと言っておきながら実は仲間を見捨てない義理堅さの塊だったというオチだ。

ソマリア沖の海賊に乗っ取られた船に、夜ボートで近づく男たちがいる。それは、バーニー・ロス(シルヴェスター・スタローン)やリー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)たちが属する傭兵部隊だ。海賊たちは、船主が身代金を払わないことに怒り船員を見せしめに殺そうとしていた。そこに現れた傭兵部隊は、赤子の手をひねるように任務を成功させる。ところが、ガンナー(ドルフ・ラングレン)は海賊を絞首刑にしようと暴走する。バーニーは、それを見て次の任務から彼を外すことにする。

ツール(ミッキー・クローク)のところにやってきたバーニーたちはハーレーに乗っているけど、クリスマス(ジェイソン・ステイサム)だけはドカティのレーサーレプリカだ。次の仕事の依頼をしてきたのはチャーチ(ブルース・ウィルス)で、競争相手としてトレンチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)がいる。すぐにトレンチは降りると、バーニーが「大統領にでもなるつもりか」と言う。この台詞がいい。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:44Comments(0)TrackBack(26)2010年映画

2010年10月12日

死刑台のエレベーター(日本版)

1957年公開のオリジナルは、白黒で上映時間も92分という密度の濃い作品だった。ルイ・マル監督が25歳という若さで脚本も担当して作ったので、当時のフランス映画界は驚嘆した。本作は、そのリメイクだ。話のあらすじや重要な台詞は、オリジナルと同じだ。現代の日本でも違和感がないような脚本と演出にしたつもりだと思う。ところが、オリジナルの説明不足なところを補ったり、登場人物にプラスアルファのエピソードを盛り込んでいる。そのおかげで、わかりやすくなったが緊張感が欠けてしまった。

横浜の古いビルに本社を構える手都グループは、医薬品関係の企業グループだろうか。会長手都孝光(津川雅彦)は戦後色々なことをしながら、今の地位を得た。妻の芽衣子(吉瀬美智子)はまだ若く、歳が相当離れている。医者である時籐隆彦(阿部寛)は外国で医者のいない場所を求めて流れていたが、会長に声を掛けられてグループに入り安定した職についた。芽衣子と時籐は愛人関係にあり、会長を自殺に見せかけて殺す計画を立てる。

ビルの電源が落ちるまでに30分しかなかったが、余裕で犯行を終えるはずだった。でも、会長の部屋に忍び込むのに使った錨つきのロープが、手すりから外れない。一旦、秘書とビルの外に出てアルファロメオのオープンカーで一周して、裏口からロープを取りに戻る。でも、予想外に時間がかかり守衛が電源を落としてしまう。ちょうどエレベーターの中にいた時籐は、閉じ込められてしまう。

一方、裏口にキーをつけたまま放置された車の近くには、チンピラに拳銃を奪われた交番勤務の警官赤城邦衛(玉山鉄二)と時籐の美容院の担当である松本美加代(北川景子)がいた。奪われた拳銃を持った暴力団の親分神健太郎(平泉成)が、高級車で走り去るのを見ていたので彼らは跡を追う。箱根の山中のコテージを備えたホテルでいっしょになった彼らは、時籐夫妻ということでチェックインする。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 15:04Comments(2)TrackBack(13)2010年映画

2010年10月10日

書道ガールズ青い青い空~私にだってある、伝えたい気持ち。

公開初日にサンストリート浜北で、浜松地方先行上映の「青い青い空」を見た。丁寧な人物描写が好感度を上げている。女子高生たちの青春の輝きは、大人の教訓めいた生き方を凌駕する。書道は、「書いた人間の気持ちが出ているか」が大切だと教えられる。自己表現がしっかりできなかった彼女たちは、職員室に乗り込んで書道部を続けたいと主張する。そのエネルギーは、映画のスクリーンを飛び越えて観客の胸に響いた。見ている間、笑いと涙が止まらない。真正面から直球勝負の青春映画で、ラストの書道大会での演技は本物の迫力が伝わった。青春映画の秀作の誕生だ。

浜松第二高校という架空の学校では、大学進学率を上げようという指導方針が絶対的存在だった。親もそれが一番子供のためになると信じて疑わない。いまどき「いい大学に入り、一流企業に就職すのが一番だ」と思い込んでいる親は、ほんとうにいるのか疑わしい。でも、頭のすみにはそういう願望があるはずだ。それを、無理やり子供に押し付けているのが、真子(相葉香凛)の母(鈴木砂羽)だ。真子の親友みさと(草刈麻有)は、名古屋で開かれるタレントオーディションに応募していて女優になるのが夢だ。

怪我をした担任の代わりにやってきた八代和樹(波岡一喜)は、天浜線で出会った高校生のタバコを全部取り上げるほどの熱血教師だ。紹介されたその場で、書道部を作るから入らないかと2年2組の生徒に呼びかける。真子とみさとは、内申書が上がるかもしれないと興味を示す。部室に行ってみると、しゃべることができない三実子(橋本わかな)が先に来ていた。なんとか入部を決めたのは、最初三人だけだった。彼らは、なんと一ヵ月後に地元浜松で開かれる書道大会に出たいと言い出す。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 09:21Comments(0)TrackBack(3)2010年映画

2010年10月06日

ナイト&デイ、日本語吹き替え版

時間の関係で日本語吹き替え版しかなかったので、TOHOシネマズららぽーと磐田で見た。10月6日はトムの日ということで、先行上映していた。トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演するので、非常に興味を持っていった。予告編の感触から、あまりハードなアクションではないと思っていた。案の定、コミカルなアクション娯楽作品になっていた。この映画のいがいな面は、007のような男性中心のアクションではなくてごく普通の女性がどんどんたくましくなっていく点だ。二人が楽しそうに演技をしているのが、印象に残った。トムは「MI」や「ワルキューレ」などのシリアス路線からの脱却を狙い、キャメロンもシリアス作品が続いたのでイメージ打破に成功している。

カンザスからボストン行きの飛行機に乗ろうとしたジューン(キャメロン・ディアス)は、何かの手違いでチェックインできない。そんな彼女を観察している一人の男が、ロイ(トム・クルーズ)だ。誰かに追われている様子だが、妙に余裕がある。そんなロイはわざとジューンに2回もぶつかって、同じ飛行機に乗る。ジューンは偶然だと思い込んでいるが、ロイは自分が監視されているのを承知で行っている。案の定、同じ飛行機に乗っているのはロイの追っ手だ。

ジューンがトイレに行ったのを合図に、同乗者のみならず操縦士まで始末したロイは平静な顔をしている。ワクワクしながらトイレから出てきたジューンは、死体の山にびっくり仰天する。先に操縦席に移っていたロイに詰問すると、不時着する状態でそれどころではない。畑に不時着した飛行機から脱出すると、ジューンはロイに抱えられて眠り薬を飲まされる。次にジューンはベッドの上で目覚める。そこはNYで、CIAのフィッツジェラルド(ピーター・サースガード)やジョージ長官(ヴィオラ・デイヴィス)がいた。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:47Comments(0)TrackBack(55)2010年映画