イーグル・アイ

スピルバーグ製作の「イーグル・アイ」を見た。この題名は映画の内容そのもので、アメリカの象徴のハクトウワシの目ということだ。国家の安全を守る情報システムそのものを題材にした設定は、いかにも時代にマッチしている。

大学を中退したコピー屋の店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)が、自宅アパートに届けられた軍事書類や銃や爆薬のためにFBIから追われることになる。FBIの突入寸前にかかってきた電話は、「すぐに逃げろ」という。信じられないでいると一旦捕まるが、次の指示に従うと逃げおうせてしまう。同じように謎の指示で巡り合わされたシングルマザー・レイチェル(ミシェル・モナハン)と、謎の逃走劇が始まる。

ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」に似ていると言った評論家がいたが、まさに本当だった。スピード感溢れる物語は、観客を最後まで飽きさせない。

指令者の正体が明らかかになってからも、指令者の言い分が道理に適っているから面白い。国家の利益に反することをする者を消し去るという行動は、もっともなことなのだ。大統領選が近いこともあって、間違った人を選ばないようにという警告もあるのだろう。そこまで考えると、現在の指導者が適任だとはいえないのか。いやー、面白かった。ゴロゴロ。

2008年11月16日 23時5分
スティーブン・スピルバーグ製作、D・J・カルーソー監督、ダン・マクダーモット原案脚本の国家管理の危機をテーマにした映画だ。「イーグル・アイ」という題名は、アメリカ合衆国の国鳥であるハクトウワシの目という意味でもある。まさに、題名がそのまま映画の内容になっている。現在ハクトウワシは保護されて、絶滅危惧種ではなくなった。そして、アメリカの政府組織や軍の紋章にもなっている。国家の目という意味では、そこらじゅうに配置された監視カメラがその末端組織だといえるだろう。さらに、その末端組織を統括する中枢がこの映画のようなものになったら、人間はどうすればいいのだろう。

シカゴのコピーショップの店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)は、双子の兄が亡くなったと知らされる。実家に戻るとさんざん出来のいい兄がいなくなって寂しいと両親に言われるが、くじけないで帰宅する。その兄は軍に勤めていた。自分のアパートに戻る途中でATMに寄ると、身に覚えがない75万ドル(7500万円)が振り込まれていた。そして、部屋には爆薬や銃などの軍事用品が大量に届いていた。兄が送ったらしいことがわかった瞬間、女性の声(ジュリアン・ムーア)の声で携帯に電話がかかり「すぐに逃げろ、さもないとFBIにつかまる」と言われる。

まごまごしていたら、本物のFBIが踏み込んできて連行されてしまう。何の罪で捕まったかわからないまま取調室にいたら、再び電話がかかって「窓の外に逃げろ」と言われる。すると、建物をぶち壊すようなクレーンが自動的に動いて、取調室が壊される。ジェリーは、強制的に逃げるように仕向けられてしまう。また、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)は、ブラスバンドでトランペットを吹いている息子をワシントン行きの列車に乗せたばかりだった。そして、車で帰る途中に逃げてきたジェリーを拾うことになる。

レイチェルは息子の命がほしければ、命令に従えと脅されていた。二人は指示されている相手が同一人物だとわかり、行動をともにすることになる。FBIや軍から追われて、謎の声に従っていると首都ワシントンに来てしまう。途中からその声の主の正体が判明しても、物語のスピード感が落ちないので最後まで退屈しない。無人攻撃機MQ-9が見られたり、アメリカ議会の建物が登場したりとすごいシーンが連続する。「エネミー・オブ・アメリカ」という映画と似ているが、国家そのものを主体にした点が違う。

こんな映画が作られたのは、今年が大統領選の年だからだ。アメリカで公開された時には、まだ次期大統領が決まっていない時期だった。だから、選ぶ人に注意しないといけないよということだ。でも、わては誰を選んでもアメリカが世界に目を光らせている間は、変わらないと思う。



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