山形スクリーム

竹中直人監督が久しぶりにメガホンを取ったコメディ・ホラー映画だ。公式HPにどの映画作品へのオマージュなのか説明されていたが、それ以外にも思い起こさせる作品がたくさんあった。オープニングの一番先に彼がカーテンの前に出て、「これから始まるよ」とおもしろく言う。わては、そこから映画の終わるまでケタケタ笑いっぱなしだった。竹中監督のサービス精神旺盛な演出で、ばかばかしくて少し怖くて楽しい物語が繰り広げられる。相当にひねりを加えた脚本で、爽快な気分で映画館を出た。

山形県の平家の落ち武者伝説のある村に、東京の歴史研究会の女子高生がやってくる。引率の先生勝海子(マイコ)が、縁結びにご利益があると聞いて女子高生を強引に連れてきたのだ。ボンネットバスで落ちそうな橋を渡り、村に入った一行は村人たちから大歓迎を受ける。

村長(生瀬勝久)は、村を開発してリゾート地にしよとする。村長と業者が、落ち武者の祠を倒して恐怖の展開が始まる。父親が母の死後すぐに再婚してしまい親子関係がギクシャクしている美香代(成海璃子)、ぶりっ子の宙子(桐谷美鈴)、メカ好きの圭(紗綾)、パンク系の胸恵(波瑠)らの4人が生徒だ。

平家と源氏の戦いは1180~1185年の6年間続き、壇ノ浦の戦いで終結した。その後、鎌倉に幕府が開かれる。平家の落人というのは、平家側で戦った兵士も含まれている。実際に東北地方にも落人の里と呼ばれている場所はあるので、こういう映画も作られるというわけだ。

葛貫忠経:つづらぬきただつね(沢村一樹)と建礼門院の官女光笛:みつぶえ(成海璃子)が東北の山形まで落ち延び、家来の山崎(竹中直人)も同行していた。でも、落人狩りが激しくて、山崎が犠牲になってしまう。そして、葛貫は村人にだまされて埋められて、光笛は出家する。葛貫は、永遠に村人を呪ってやるといって死んでいく。

祠(ほこら)を倒してしまったので、先祖代々祠を守ってきた与藻須賀三太郎(AKIRA・EXILE)はびっくり仰天する。村で一軒しかない床屋を営んでいるが、全く儲かっていない。祖母のトメコ(由紀さおり)は半分ぼけていて、徘徊することもあった。葛貫はこの世によみがえり、昔の仲間に号令を掛ける。すると、落ち武者たちが村を襲撃して、村人をゾンビに変えていく。

女子高生たちの泊まっているホテルも襲撃されて、先生と4人の生徒たちは逃げ出す。そこからのドタバタ騒動は、全くハチャメチャだ。ここからの展開は笑ってしまった方が、勝ちだと思う。ホラー映画ではないが、「プレデター」から引用したシーンがあったと思う。ラストシーンのコンサートシーンが、楽しい。



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