宇宙(そら)へ。 ROCKET MEN

イギリスのBBCのドキュメンタリー製作部門が、NASA(アメリカ航空宇宙局)の秘蔵映像を惜しみなく使って作り上げた作品だ。ソ連の宇宙開発の実績は紹介されていないが、アメリカは先行されていた。冷戦の真っ最中で、国の威信をかけて取り組んだのだと思う。ジョン・F・ケネディ大統領の人類を月に送るという決意表明や、レーガン大統領のスペースシャトル打ち上げ失敗時の演説も盛り込んで真に迫るドキュメンタリーになった。成功シーンも悲惨な事故のシーンも、神秘的な宇宙の美しさも映画館のスクリーンでしか味わえない。8月21日22日の両日は500円で鑑賞できるので、是非見てほしい。

ロケットの燃料が噴射されると、何十メートルもある筒状の噴射口が信じられないくらい震える。そのエネルギーを閉じ込めて、上昇させる力に変えるには並大抵の挑戦ではない。ロケットが上昇する前に爆発してしまったり、少し上がっただけで爆発する。また、地上での実験段階で宇宙遊泳に初めて成功したエドワード・ホワイトを含む三人が犠牲になったりする。また、スペースシャトルの時代になってからも、86年の「チャレンジャー号」や03年の「コロンビア号」の爆発事件が記憶にある。

マーキュリー計画からジェミニ計画に移り、基本的なデータを一つ一つ積み上げていく。最初は、何秒間か宇宙空間に入るだけの垂直の打ち上げだった。そこから、宇宙遊泳をしたり地球の周回軌道に乗せたりと階段を登っていく。月に人間を送るために、2機の小さな宇宙船を切り離して近づける実験をする。69年のアポロ11号では、ニール・アームストロング船長の抜群の着陸船操縦で予想地点から外れても成功する。いっしょに月に立ったバズ・オルドリン飛行士と母船で二人を待っていたマイケル・コリンズ飛行士の名前も、忘れてはいけない。

それからアポロ計画は17号まで実施され、人が乗った月探査車を走らせるまでになる。実に10名以上の人間が月に立ち、約380kgの月の石や砂を持ち帰る。それらが、貴重な研究材料になったのは言うまでもない。

さらに、スペースシャトル計画では2回の事故で14名の飛行士が犠牲になった。でも、1990年の宇宙空間で機能するハッブル宇宙望遠鏡の発射に成功した。その成功によって、宇宙工学や天文学は飛躍的な発展を遂げる。それにしても、月の表面を歩く宇宙飛行士がこんなにきれいな映像で見ることができて、宇宙から見た地球がこんなに美しいとは驚いてしまう。宇宙船の中から見た地球や宇宙の様子が、すばらしい。

彼らの努力と犠牲の上に、今我々が受けている科学的成果は非常に多い。わてが見たのは日本語吹き替え版だったけど、特に違和感はなかった。



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