ダブル・ミッション

1980年にハリウッドに進出して30周年を迎えたジャッキー・チェン主演の、アクションコメディだ。お気楽な気分で見られる楽しい映画だった。ジャッキーと同世代で残っている香港系の俳優は、CMでしか見られない。50代半ばになったジャッキーが、肩の力を抜いて楽しそうに子役の子供たちを相手にしている。CIAに中国から出向している凄腕エージェントという設定は、時代が変わったものだと思った。ストレス解消にもってこいの娯楽作品だ。

映画冒頭でジャッキーの過去の作品から、名物のアクションシーンが白黒で紹介される。全体の雰囲気がユーモアたっぷりなので、切れのあるアクションを期待してはいけない。それよりも、コミカルなアクションシーンの中に家族の結びつきを描いたファミリー作品の趣がある。アンバー・ヴァレッタ演じる母親ジリアンと、その子供長女ファレン(マデリン・キャロル)・長男イアン(ウィル・シャドリー)・次女ノーラ(アリーナ・フォーリー)がほんとうの家族のようだ。ジリアンの恋人として隣の家に住むボブ(ジャッキー・チェン)が、三人の子供とドタバタ騒動を繰り広げる。

自分の仕事をペンのセールスマンとしか説明していないので、子供たちからはさえない中年男に見える。ジリアンとはうまくいっているが、子供たちと仲良くなるのが結婚できるかどうかの試金石になっている。デートの最中でも、緊急の呼び出しがありCIAのエージェントとして任務を果たす。自宅の近くの石油精製施設が襲撃されたので、ボブは出動して犯人ボルダーク(マグヌス・シェヴィング)を捕らえる。でも、すぐにボルダークは護送中に逃亡して、クリール(キャサリン・ボシェール)たちと合流する。

ボブはエージェントを引退して、ジリアンと結婚したいと思っていた。でも、状況がそれを許さない。ボブの自宅のパソコンに犯罪組織のデータを転送してもらうが、それをイアンが音楽だと間違えて自分のipodにダウンロードする。そして、勝手にアクセスしてしまったので組織から狙われてしまう。さらに、ジリアンが父親の病気で帰郷することになり、ボブが三人の子供と数日間生活することになる。

小柄なイアンは学校ではいじめられっこだが、実はパソコンや理系の知識が豊富だ。また、長女のファレンはボーイフレンドが欲しい年頃で、ジリアンとは実の親子ではない。さらに、ノーラは学校に行く歳ではないけど、やんちゃざかりで目が離せない。そんな子供たちとジャッキーが繰り広げるファミリーの物語が、お話に面白みを与えている。ストレス解消にもってこいの映画だ。見ていて楽しい。中国から出向したエージェントがペンのセールスマンというのは、なんだか最高の皮肉だと思った。



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