エンジェル・ウォーズ

「300<スリーハンドレッド>」のザック・スナイダー監督が、原案・脚本・製作も担当して映画化したアクション映画だ。家族を奪われて強制的に病院送りになった少女が、同じ境遇の少女と病院から抜け出そうとする。少女は空想の世界で、侍やナチスやロボットたちと戦いを繰り広げる。精神病院の世界を娼館に例えて、戦闘シーンを織り交ぜて映像が展開される。音楽の使い方が格好良く、切れのあるアクションが爽快だ。

義理の父の虐待に反抗しようとして妹を殺してしまった少女が精神病院に入れられる。約50年前の精神病院では今では考えられないようなことが行われていた。おそらく大人の都合で入院させられた子供たちがいただろう。一旦入ったら出ることは不可能だ。亡き母の遺産を自分で独り占めしようとした義父に逆らおうとして、妹を誤って殺してしまう。やっかい払いをしたい義父は、無理やり記憶を消すロボトミー手術を娘にさせようとする。

入院歴のあるうつ病患者であるわては、病院の中をよく知っている。現在の病院は環境もよくて開放的にできているけど、昔の病院は映画で描かれていたような檻のような部屋があったかもしれない。病院ではリクリエーションの行事もあって女性患者には、合唱や演劇をしたりする時間もある。その関係でベイビードール(エミリー・ブラウニング)は踊りの世界に入るとき、空想して自由を得るための戦いに身を投じる。

演劇の指導をするのはベラ・ゴルスキー博士(カーラ・グギーノ)だ。演劇を娼館のショーに見立てた演出は非常にわかりやすい。そのショーを見るのは、看護師たちだ。看護師の一人ブルー・ジョーンズ(オスカー・アイザック)が娼館のオーナーに設定されている。入ってきたばかりのベイビードールの案内役になるのは、ロケット(ジェナ・マローン)だ。ロケットの姉スイートピー(アビー・コーニッシュ)は、患者達のリーダー的存在だ。他にも、ブロンディとアンバーが仲間になる。

地図・火・ナイフ・かぎともう一つの何かを手に入れれば、自由を得られえると聞いて5人は空想の世界で戦う。その切り替わるのが、ベイビードールの踊りのシーンになっている。実際問題どういう踊りをしているかは問題ではなく、映画を見る観客が見ている映像がそのものなのだ。この演出は非常にうまいやり方だ。M4ライフル、マシンガン、ショットガン、ピストルなどの銃に加えて、日本刀も武器に使われる。日本の侍から第2次大戦のナチスやロボットや怪物まで、対戦相手になる。見事な世界観だと思う。

ちょっと気になるのは、妄想癖のある人が見るとどこにベースをおけばいいかわからなくなることだ。それほど構成がうまいので、混乱するかもしれない。わてもそれに該当していると思う。



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