親愛なるきみへ

「きみに読む物語」の原作者ニコラス・スパークスの「きみを想う夜空に」を、ラッセ・ハルストレム監督が映画化した。チャニング・テイタム演じる陸軍特殊部隊のジョンと、アマンダ・サイフリッド演じる女子大生のサヴァナの恋の物語を描いている。2週間の休暇で故郷に戻ったジョンは女子大生のサヴァナと恋に落ちるが、すぐに兵役についたジョンとは手紙のやり取りで愛を確かめ合う。でも2001年9月11日の事件で二人の関係にすれ違いが生じてしまう。涙がボロボロでるほどではないが、政治の都合で翻弄される若者の運命が切ない。ジョンの父が自閉症で、サヴァナの知り合いの息子も自閉症だ。サヴァナはそのような弱者にも気配りができる優しい女性であるけど、それが運命のいたずらを呼んでしまう。

サウスカロライナ州チャールストンに、アメリカ陸軍特殊部隊に属するジョン・タイリー(チャニング・テイタム)が帰ってくる。海岸に面した町なので、ジョンはサーフィンで休暇を過ごしている。同じ海岸に女子大生のサヴァナ(アマンダ・サイフリッド)も友人たちといた。桟橋の一番先にいたサヴァナは持っていたバックを落としてしまう。相当高い桟橋から飛び降りて、海中に沈んだバックを拾い上げてくれたのがジョンだ。二人はすぐに意気投合して、「すぐにまた会おう」と言いジョンの2週間の休暇を二人で過ごす。

ジョンの自宅へ行ったときに、サヴァナは彼の父(リチャード・ジェンキンス)が自閉症だと言う。サヴァナが自閉症に詳しいのは、知り合いのティム・ウェッドン(ヘンリー・トーマス)の息子アラン(ブラッデン・リード)が自閉症だったからだ。ジョンの父は、男手一つでジョンを育て上げたが人付き合いが苦手で、今はコイン収集の趣味で時間をつぶしていた。昔は親子同じ趣味だったが、ジョンが大きくなると飽きてしまう。ジョンは高校卒業後陸軍に入り、父に仕送りをしていたのだろう。

2001年9月11日の事件後、アメリカはアフガニスタンに介入する。テロとの戦いとなって、ジョンはサヴァナとの約束である除隊ができない。部隊の全員が志願して戦いを続けるのに、一人だけ除隊することは無理だ。厳しい戦闘が続いても、ジョンもサヴァナも手紙のやり取りでかろうじて関係を保っている。18時間しか帰れない休暇でも、ジョンはチャールストンに帰ってサヴァナと会う。でも、それ以降休暇が取れない状態になってしまう。いつまでと期限が明らかなら、女性は待つことができるだろう。

3年後だったか、父が脳梗塞で倒れてジョンは帰郷する。もう手足が動かせない父に、ジョンは手紙を書く。ベッドに寝たきりになった父に、ジョンは手紙を読む。すると、父が涙を出しながら手を握る。父と息子がしっかりと心を通わせた瞬間だ。サヴァナに遠慮していた父は、息子との再会を喜んだ。父はすぐになくなってしまい、息子一人で葬式をする。

それから、ジョンがサヴァナと会うことができるのは先になる。手紙でのやり取りが疎遠になったのは、理由があった。サヴァナはアランの父と結婚していた。ジョンがサヴァナに会いに行くと、大きな屋敷は人手に渡り経済的に苦境にあることがわかる。アメリカの医療制度は、金持ちしか当て相手にしていないのだ。サヴァナは、おそらく優しい女性だったからランディの父ティムと結婚したのだろう。



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