はやぶさ/HAYABUSA

2010年6月13日のはやぶさの帰還シーンは、ユーストリームで見た。あれはネット上でも盛り上がって一体感を味わった。そのはやぶさが、どういう旅をしてきたか丁寧に描いた実録ドラマだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員を役者が演じた再現ドラマで、大変にわかりやすいものだった。難しい専門用語が少し出てくるけど、竹内結子演じる水沢恵が子供にもわかるように説明してくれた。多額の税金を投じて世界初の快挙を成し遂げた価値が、しっかりと伝わるすばらしい映画だった。

日本の宇宙開発は1950年代から始まった。最初は鉛筆ロケットというおもちゃみたいなものだったけど、だんだん本格的になって1970年代には人工衛星の打ち上げができるようになった。1998年には火星探索衛星「のぞみ」が打ち上げられて、2003年にはこの映画の「はやぶさ」が打ち上げられた。そこまでは、少ない予算でいかに成果を得るかという工夫がされて、進んできたことがわかった。その「はやぶさ」も、7年間多くの危機に見舞われながら奇跡的に地球に帰ってくることができた。予算を打ち切らなくて、ほんとうによかったと実感した。

2002年広報室長の的場康弘(西田敏行)の講演を聴いていた北大出身の水沢恵(竹内結子)は、講演が終わった的場に専門的な質問をぶつけてびっくりされる。神田の古本屋でアルバイトをして論文を書いていた水沢は、的場の誘いで宇宙科学研究所で働けることになる。小惑星探査機(ミューゼスC)の萩原(高橋長英)の研究室のカメラチーム兼対外協力室の手伝いをすることになる。展示コーナーに見学に来た小学生から質問を受けて、水沢は専門用語を使って説明してキョトンとされる。自分もわかっていないのでは気がついて、子供向けの簡単な冒険日誌を書くことにする。また、論文を完成させるために資料室へ案内してもらう。

水沢恵と人物のモデルはいないそうで、架空の存在だという。彼女が宇宙という学問で身を立てる決心をして、博士論文を仕上げようとする。それと平行して「はやぶさ」のプロジェクトの広報やカメラチームとして、ビックプロジェクトに関わって最後はオーストラリアまで行く。そこまで行くには、子供の頃死別した兄のことを乗り越えて学問に打ち込めるのか。博士論文が合格しなくても、再挑戦する意欲はあるか。色々試練が待っている。

「はやぶさ」も、小惑星イトカワの着陸に手間取ったり、エンジンが故障して燃料が漏れたり、姿勢制御ができなくなって通信ができなくなったりする。7週間の通信遮断を乗り越えたプロジェクトチームの努力は、並大抵ではない。地球に到達する前に、地球の映像を送り燃えてカプセルだけが落ちていくシーンはほんとうに感動した。こんなにもたくさんの困難を乗り越えてきたと思うと、日本の宇宙開発もなかなかやると思った。







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