ステイ・フレンズ

アメリカの最新の男女関係を、ヘッドハンティング会社に勤める女性と彼女にスカウトされた男性を主人公に描いた映画だ。ジャスティン・ティンバーレイクとミラ・クニスの主演で、監督はウィル・グラック。二人は知り合いから友達になり、セックスだけの関係に発展する。NYとLAの違いや現代的な家族模様を織り交ぜて、ユーモラスなラブストーリーになった。洒落た演出は、大勢でするタイムズスクエアとグランドセントラル駅での踊りだ。洗練された演出に唸ってしまった。一癖ある親のもとで育った若者が新しく家族を作る物語でもある。単純なラブコメでない。

映画冒頭、二人の男女がそれぞれの恋人と話をしている。ロスにいるディラン(ジャスティン・ティンバーレイク)は彼女から別れ話を持ち出され、NYにいるジェイミー(ミラ・クニス)は彼から情緒不安定だという理由で別れ話になる。ロスにいるディランは飛行機に乗ってNYに来て、ジェイミーのおっちょこちょいな出迎えを受ける。緊張がほぐれた二人は、意気投合する。ディランはジェイミーにヘッドハンティングされて、NYの出版社にやってきた。まだ知り合いがいないディランは、ジェイミーの案内を受けているうちにテニスをするようにセックスをする関係になろうと合意する。

ややこしい恋愛感情抜きで付き合うのが、後腐れもない気楽な関係だと思ったのだ。二人がその関係を選んだのはちょうど付き合っていた相手と別れたばかりであるという理由もあるが、育った家庭環境も影響していた。ディランの父ハーパー氏(リチャード・ジェンキンス)は、アルツハイマーになっていて妻との離婚にわだかまりを持っているみたいだ。ジェイミーの母ローナ(パトリシア・クラークソン)はシングルマザーで、若い頃から男と遊びまわっていてジェイミーの父が誰かはっきりと言わない。そんな親のもとで育った若い二人なので、男女の関係もどこかいびつになる。

ディランの同僚でゲイのトミー(ウディ・ハレルソン)は、身体だけの関係が長続きしないと警告する。女性は必ず、精神的結びつきを求めてくるという。彼の言うとおり、どちらからともなく割り切れない感情が湧き出してしまう。特にロスのディランの実家に招待されたジェイミーが、婚約者と勘違いされてそれを彼が強く否定したので決定的になる。ジェイミーはタクシーを呼び、NYに帰ってしまう。

この映画が別れたまま終わるはずもないことは、わかりきっている。どうやって二人を元に戻すかが、おもしろいところだ。NYのタイムズスクエアで二人の感情が高揚する。そこでエキストラ全員が踊りだす。また、二人が再び元に戻るためにグランドセントラル駅で、エキストラ全員が踊りだして関係が修復される。このミュージカルシーンをうまく使っているのが楽しい。それにしても、ジェスティン・ティンバーレイクもミラ・クニスも、堂々とした脱ぎっぷりでたいしたものだ。特にミラ・クニスは大胆な演技を見せてくれた。



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