ステップファーザー・ステップ、原作がいいのだろう

宮部みゆき原作の同名小説を、大映テレビ・TBSがドラマ化(ステップファーザー・ステップ)した。主演は上川達也、双子には渋谷龍生と渋谷樹生、担任の先生に小西真奈美だ。両親が別々に駆け落ちしていなくなってしまった双子の小学生と、その双子に偶然助けられた泥棒怪盗キングがその父親役を引き受けることになってしまう。なんとも突拍子のない設定なのだけど、うまく導入されていておもしろそうなドラマになりそうだ。

冒頭、どこかの薬品会社に怪盗キングが侵入する。すると、新聞にはその薬品会社の不正が明らかになる。怪盗キング(上川達也)は、柳瀬豪造(伊藤四郎)と秋山ナオ(平山あや)のいる事務所に戻ってくる。柳瀬はどうも弁護士なのだろう。次の仕事は、痩身美容の詐欺をしていた井口雅子が相手だ。井口は大金を騙し取って逃げて、新興住宅地に潜入しているという。夜彼女の住宅を暗視スコープで監視していたら、まぶしい光に目がくらんで転んでしまう。

翌日目覚めると、そこは両親がいなくなったという双子直(ただし)と哲(さとし)の家で寝ていた。さらに、泥棒であることが子供達にばれてしまい担任の礼子先生(小西真奈美)には、「父親です」と紹介されてしまう。そこから、双子と父親もどきの男性、担任の先生などを巻き込んだドタバタ騒動が繰り広げられる。盗みのテクニックを持った父親もどきと、両親が突然いなくなった双子が家族になれるのか。これは、愉快なドラマが始まったのだ。

子供達は現在進行形で、親の喪失という問題に直面している。ドラマに登場している大人たちは、過去に両親に疎んじられてきた過去を持っている。家族が崩壊する実例があちこちで起きている。ユーモアとミステリーを融合させたホームドラマになりそうだ。何十年も続いた定番時代劇のあとを継ぐには、適した題材だと思った。

二人の双子は演技がうまい。毎回問題になる大人たちも色々バラエティーに富んでいる予感がする。ラストシーンで出た水中に沈んだ車が、深刻な予告になった。

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)



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