バトルシップ

海軍マニアのピーター・バーグ監督が、環太平洋合同演習(RIMPAC)でハワイ沖にいる艦隊にエイリアンが襲撃してくる映画を作った。テイラー・キッチュと浅野忠信が共演するというサービスぶりで、英語と日本語と中国語が話されるのがリアルだった。空母ロナルドレーガンや駆逐艦や自衛隊の「みょうこう」も出てきて、エイリアンの母艦も大迫力の映像で表現される。現代の海軍の海戦のダイナミックな戦闘状況が新鮮で、海上と陸上の物語が平行して進むのも醍醐味があった。

映画冒頭の陸上シーンが重要な伏せんになっている。海軍士官の兄ストーン・ホッパー(アレキサンダー・スカルスガルト)は、ふらふらしている弟アレックス(テイラー・キッチュ)にしっかりしろと説教をしている。キチンサンドが欲しいという女性のために、コンビニに忍び込んだアレックスはしっかりと監視カメラに映されて警報装置も作動しているのを忘れている。案の定駆けつけた警官に捕まって、さんざんな目にあう。侵入したのはいいが、出るのが難しかったのだ。

海軍に入ったアレックスは、シェーン提督(リーアム・ニーソン)の娘サマンサ(ブルックリン・デッカー)と付き合っている。ところが冷静な行動ができないアレックスは、環太平洋合同演習で来た日本とのサッカーの試合でも勝手な振るまいで負けてしまう。そこで知り合ったナガタ(浅野忠信)は自衛隊の”みょうこう”の艦長だった。型どおりの訓練だけで終わるはずが、正体不明の構造物を見つけたことで地球規模の危機に陥る。地球と同じような惑星を見つけるプロジェクトで、グリース太陽系の惑星に通信を送ったために地球に飛来した謎の物体が出現したのだ。

提督の指示で、アレックスの乗る駆逐艦”ジョン・ポール・ジョーンズ”と兄が艦長の”サンプソン”に”みょうこう”が偵察に向かう。アレックスとレイクス(リアーナ)たちがボートで近づくと、巨大な構造物は突然動き出しバリアを張り三隻が閉じ込められてしまう。バリアの内外では通信も戦闘機の通過もできない。アレックスは駆逐艦に戻ると自分が指揮するしかない状況になる。反撃しようとした”サンプソン”は撃沈される。”みょうこう”も大打撃を受けて、アレックスは周囲の人たちに説得されて指揮官としての自覚を取り戻す。

エイリアンたちは頑丈な遮光装置つきのヘルメットにボディスーツを着ていた。ヘルメットを調べてみたら、太陽光線に彼らが弱いことがわかる。エイリアンたちの船はレーダーに感知されないし、攻撃をしてこないと地球側の位置を把握できないらしい。ナガタは日の出の太陽を利用して、エイリアンに反撃する。しかし圧倒的な攻撃力の差に追い詰められたアレックスたちは、海軍博物館として港に係留されている戦艦ミズーリに最後の願いを託す。

電波基地のそばにいるリハビリ療法士のサマンサと両足が義足のミック(グレッグ・ガドソン)が、地上で活躍する。他人の家に侵入したら、どうやって出るかも考えておかないといけない。ダイナミックな映像とよくできた脚本が、しっかりとした物語を成りたさせた。ちなみに、この映画の元ネタは1931年からある「Battleship」というボードゲームだ(IMdb参照)。次の第二弾はイギリスが舞台かな。



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