君への誓い  THE VOW

こんな話が実際にあるのかと思うほど感動的な物語だった。追突事故で大怪我をして記憶を失った妻と、再び夫婦の絆を取り戻すために奮闘する夫の尽くす愛を描いている。「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムスと、「親愛なるきみへ」のチャニング・テイタムの共演がはまっている。思い出す記憶が夫と出会う前までというまるで小説のような設定が、タイムマシンみたいですばらしい。本当の夫婦というのは、こういうもんだと実感できる傑作だと思う。

シカゴの芸術系大学を卒業したペイジ(レイチェル・マクアダムス)とレオ(チャニング・テイタム)は、新婚生活が始まったばかりに追突事故にあう。シートベルトをちょうど外したペイジがフロントガラスを突き破って、大怪我を負う。しかも記憶がうまく戻らないで、大学に入る寸前までしか思い出せない。レオはなんとかシカゴでの生活を取り戻そうと、ペイジを部屋に引き取って夫婦の絆を取り戻そうとする。でも、ペイジが思い出したのは前の婚約者との記憶までだった。

そして、シカゴに出てきて疎遠だった父のビル(サム・ニール)と母リタ(ジェシカ・ラング)が、姉の結婚を理由にしてペイジを田舎に連れて行ってしまう。レオは、シカゴとペイジの実家を往復して記憶を取り戻させようとする。でも、ペイジが思い出したのは高校卒業後入ったロースクールで知り合った前の婚約者との関係だった。さらに、ペイジはなぜ自分が前の婚約者と別れたのか理由がわからないのだ。

ここまで書いてくると、経済的余裕もあるし環境もいい両親のもとで療養生活を送るのがいいと思ってしまう。人間思いだしたくない過去は誰でもある。実家に戻ってきた娘を手元においておきたいので、両親は娘が実家を出た顛末を話さない。ところが高校時代の友人に出会ったペイジは、誰と仲良しで仲が悪かったかも思い出せない。楽しかった記憶が残っていて、苦しかった思いでは忘れていく。

ペイジは全くの白の状態に戻ってしまったのだ。だから両親が隠しておきたかった嫌な記憶を、友人から話を聞いて思い出してしまう。それは父が同級生と不倫をした事件だった。母は家庭を壊したくないと父を許していた。でも、父の言われたとおりの進路に進み自我を押し殺していた思い出が一挙に噴出す。何回も記憶を取り戻さすために苦労したレオは、ペイジを遠回りして取り戻す。



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