ラム・ダイアリー

ジョニー・デップが親友だったハンター・S・トンプソンのプエルトリコ時代を演じ、製作も担当した映画だ。1960年にプエルトリコに渡り、地元紙の記者として働き始めた青年が反米意識の高い土地柄の中で悪戦苦闘する。アメリカ系の新聞は地元民に受け入れられないし、支配階級のアメリカ人はあくどい方法でリゾート開発や鉱山開発で利益を得ようとする。ラムというアルコール度の高い酒におぼれそうになりながら、ジャーナリストの誇りを貫こうとする主人公をデップが熱演している。JFKが大統領に当選する前の混沌としたカリブ海の熱気は、火傷しそうになる。

NYタイムズにいたのかわからないけど、1960年プエルトリコにポール・ケンプ(ジョニー・デップ)がやってくる。地元新聞社に一日遅れでやってきたポールは、編集長ロッターマン(リチャード・ジェンキンス)に歓迎される。ところがその新聞は売れないし、記者たちもまじめに働かない。カメラマンのボブ(マイケル・リスポリ)と仲良くなり、仕事やプライベートでともに行動するようになる。

最初は占い欄しか担当させてもらえない。アメリカ人の実業家サンダーソン(アーロン・エッカート)と親しくなったポールは、彼の婚約者のシュノー(アンバー・ハード)の美しさにひかれてしまう。ポールはシュノーと仲良くなりたいのだが、サンダーソンの周辺にいるのは元軍人や銀行化などやばそうな人々だった。地元の娯楽として闘鶏が紹介される。ホテルを出たポールが転がり込んだボブは、闘鶏に使う鶏を飼っている。闘鶏場に出入りするには、現地の人たちと接する絶好の場である。

頭が切れるポールは、サンダーソンたちから巨大リゾート建設のためのやらせ記事を書くように誘われる。現地の事情をあまり理解していなかったポールは、簡単に誘われてお金を受け取ってしまう。サンダーソンの赤いスポーツカーを貸してもらったので、シュノーを助手席に乗せてドライブをしたりする。でも、シュノーが地元のお祭りで飲みすぎてバーから出られなくなってしまう。ボブと小さなレストランで騒動を起こしたので、警察に捕まり裁判に掛けられる。サンダーソンに保釈金を出してもらうけど、それを返済しなければいけなくなる。

ポールがサンダーソンからシュノーを奪ったからだ。サンダーソンは圧力を掛けて、新聞社もつぶしてしまう。怒ったポールたちは、サンダーソンのあくどいやり方をペンで告発しようとするが大きな壁が待っている。大変に危ない橋を渡っているようなポールたちの手法は、原作者のトンプソンの取材方法そのものだ。親友としてのジョニー・デップの想いが痛いほど伝わってきた。

サンダーソンが乗っていた車は、「オースチン・ヒーレー100-6」だ。ケンプに自由に乗っていいと渡した車は、「シボレー・コルベット」だ。


より大きな地図で サンフアン サン・フアン プエルトリコ を表示



同じカテゴリー(2012年映画)の記事
レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル(2012-12-21 21:55)

果てぬ村のミナ
果てぬ村のミナ(2012-12-19 22:23)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ラム・ダイアリー
    コメント(0)