闇金ウシジマくん

真鍋昌平の同名漫画を、ドラマ版と同じ山口雅俊が監督して映画化された。闇金の社長を山田孝之、母親の利息を払い続ける娘に大島優子が演じてシリアスなドラマになっている。10日で5割なんて利息は完全に貸金業法違反であるけど、担保も何もない登場人物はそれにすがるしかない。スライド式の携帯電話が登場するので、現在から数年前の時代設定だろう。借金をするのはそれなりの覚悟が必要で安易にするのは身の破滅を招く。借りる側からの見方と貸す側からの見方と両方できるのが、この映画の秀逸な点だと思った。

筆者がした借金は唯一奨学金だけだ。昔の奨学金は日本育英会がやっていて、特別奨学生の場合上乗せして貸してくれた。もうとっくに返し終わったけど、それ以来大きな借金はしたことがない。友人からお金を借りるのも、友情がおかしくなるのでしたことがない。貸した者はついつい借りを作ったと思うし、借りたものは負い目を感じる。ということは担保がない借金は、精神的に負担になるのだ。筆者はそれが嫌なので、しないようにしている。

逆の立場で考えると、担保も取らないでお金を貸す業者は相当の損失率を経営上考えていることになる。もし誰も家族のいない人間にお金を貸して、その人が事故で亡くなってしまったら取り立てるあてがなくなる。社長ウシジマ(山田孝之)と従業員3名は利息で給料が出る。パチンコ狂いの母文江(黒沢あすか)にお金を貸しても元金が返る可能性は低いから、娘の鈴木未來(みこ:大島優子)に利息を払えと言う。ミコの幼馴染でイベントサークルの代表を務める小川純(林遷都)は、携帯電話3台分の人脈が財産だと言っているがその価値はわからない。

ミコは母親の利息を払うために出会いカフェに勤め始める。ミコの友人はウリをやっているが、ミコはそこまで踏み込めない。その自制心があるかどうかで人生が変わる。一方、イベントサークル代表の純の上昇志向は半端ではない。携帯電話3台分3000人のアドレスを持っているからと言って、そのネットワークがどれほど頼りになるか何の保障もない。現在で考えるとSNSのようなものだ。無理な大イベントを計画して資金が用意できない。そこであちこちに借金を頼むが誰も貸してくれない。ウシジマに借金を頼むと簡単に貸してくれた。

純はなぜそんなに簡単に貸してくれたのか理解していない。それと取り立てが厳しいから恐喝の被害届を知り合いに出させて、警察に頼ったりしては相手が上手だ。なんとかイベント開催にこぎつけるものの、純に群がる先輩や地元の暴走族に巨体の怪物男をウシジマと対決させようと算段する。ウシジマにしてみれば、自分の会社ばかりか生命まで奪おうとする純を簡単に許せるわけがない。それでもウシジマは純に電話で助けを求めることを許す。でも、誰も純の助けに応じない。

ラストシーンが後味が悪いと皆さん言っている。青木ガ原樹海は車からちょっと入っただけでは、奥まで行けない。駐車場に車を止めて、しばらく歩かないと奥まで行けない。たぶん、純は誰かに見つかるだろう。わてはそのように思う。根拠は経験者だからわかるのだ。ゴロゴロ。




お手数ですがトラックバックは、下記アドレスの記事にお願いします。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/blog-entry-5.html
下記アドレスがトラックバックアドレスです。コピーアンドペーストしてお使いください。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/5-b716ed13



同じカテゴリー(2012年映画)の記事
レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル(2012-12-21 21:55)

果てぬ村のミナ
果てぬ村のミナ(2012-12-19 22:23)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
闇金ウシジマくん
    コメント(0)