アウトロー

トム・クルーズ製作・主演、リー・チャイルド原作のクライムサスペンスの映画化だ。映画館の予告編で同じ主演の作品を複数流されるとわけがわからなくなった。観客は一人のスターについて一作品くらいしか記憶できないのだ。まあそれは映画の出来とは全く関係ない。でも宣伝サイドはもっと考えないといけないことだ。猛省を求めたい。

元陸軍の特殊部隊で退役間際には捜査官だったジャック・リーチャー(トム・クルーズ)は、憲兵隊みたいな存在だった。軍隊の中で規律を守らせるのは上官の役割だけど、建前でできないこともある。合法的でない方法で秩序を保つ役割がジャック・リーチャーだ。それは小説の中の存在だけど、実際の軍事作戦は何をしているかわからないものも多い。テロとの戦いという題目があっても、税金を払っている人たちは納得できないこともあるだろう。また、退役して仕事ができなくなる人もいる。そこで、こういう難問を解決してくれる存在が必要なのだ。

ピッツバーグ近郊で、狙撃銃を使った連続殺人事件が起きる。6発の銃声で5人が殺される。証拠から容疑者として逮捕されたのはジェームズ・バー(ジョセフ・シコラ)だった。でも彼は黙秘して、「ジャック・リーチャーを呼べ」だけ紙に書く。エマーソン刑事(デヴィッド・オイェロウォ)と検事のロディン(リチャード・ジェンキンス)は、バーが犯人だと思い込んでいる。でも、検事の娘で弁護士のヘレン(ロザムンド・パイク)は困惑する。さらに、容疑者のバーが護送中に囚人たちに暴行を受けて重傷を負う。捜査が進まなくなったときに、突然ジャック・リーチャー本人が現れて事件を調べ出す。

バーは仮にも軍で狙撃手として訓練を積んでおり、あのような雑な仕事はしないと思う。ジャックが犯行現場を巡ったり、証拠を調べ出すとますます真犯人はほかにいると思えてくる。さらに、何者かの邪魔が入るようになって、ジャック本人が狙われる。トム・クルーズ本人がすべて演じているカースタントは迫力満点だ。検事と刑事のどちらかが彼らを陥れようとしているところまでわかり、ますます緊迫してくる。

ロバート・デュヴァル演じる射撃場の主人がまた存在感たっぷりでいい。建築資材置き場を舞台にした最後の決戦がしぶい。人質を取られようが関係ないと言い切るジャック・リーチャーが、格好いいのだ。若い衆を簡単にのしてしまう技も見事だし、カー用品の店で働くサンディ(アレクシア・ファスト)に街を出ろというのも判断がいい。とくにすごいのは、弁護士のヘレンを盾にしているのに犯人を一発で始末するシーンだ。わてはこういうハードなやつが好みなので、続編を期待したい。

トラックバックは下記アドレスをコピー&ペーストしてお使いください。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/43-eec2f111



同じカテゴリー(2013年映画)の記事
僕等がいた前篇
僕等がいた前篇(2018-11-06 16:28)

永遠の0
永遠の0(2013-12-31 23:33)

武士の献立
武士の献立(2013-12-18 23:46)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
アウトロー
    コメント(0)