劇場版ATARUーTHE FIRST LOVE & THE LAST KILLー

中居正広主演のテレビドラマの映画化だ。サヴァン症候群の青年が難解な事件を解決していく内容で、登場人物はコミカルな設定になっている。アタルは他者とのコミニケーション能力が劣るが、記憶力や物事の分析能力が抜群だ。今回は同じ能力を持った女性マドカを堀北真希が演じる。北村一輝や栗山千明は安定した演技を見せている。気になったのは多忙な中居正広の登場シーンが中途半端な長さで、とぼけた推理シーンが物足りない。

FBI捜査官のラリー井上(村上弘明)と来日したアタル(中居正広)は、ニューヨークに戻っている。刑事だった蛯名舞子(栗原千明)は探偵になり、沢俊一(北村一輝)は少し出世したのだろうか。ある日、東京とニューヨークで鉄道の送電線爆破事件が発生する。その原因はコンピューターウィルスで、作者はマドカ(堀北真希)だということがわかる。マドカはアメリカの元FBI捜査官で、アタルと同じサヴァン症候群だった。そして、マドカとアタルはFBIで同じように犯罪捜査の訓練をしていた。

日本の捜査では車椅子の星秋穂(松雪泰子)が指揮を取り、刑事でない蛯名舞子(栗原千明)が捜査本部に入れない。ところが、アタルの世話をするのが重要な役目の奮闘ぶりがあまりないのだ。そのかわり、アタルだけは捜査本部の中に入ることができる。でも、障がいのある星はアタルの勝手な言動を許さない。このちょっと矛盾する物語は、なかなか興味深いもんだ。

健常者ばかりの捜査員を指揮するのには、自分が片足を失っていることを忘れて働かないといけない。その思い込みが実は、先入観にとらわれた捜査方針になっていたのだ。星がアタルの長所を受け入れたときに、捜査の糸口が見つかる。

マドカのサヴァン症候群は、アタルの症状とは全く違うのかとも思えた。主要人物二人が合流するのが、アメリカでのラストシーンであるのも物足りない原因だろう。
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