LUCY/ルーシー

リュック・ベッソン御大が脚本・監督を担当して、10年の構想をへて映画化した作品だ。最新の科学の成果を学者に聞いて、お話をふくらめた物語だという。最初は普通のアメリカ人留学生だったルーシー(スカーレット・ヨハンソン)が、新種の麻薬の運び屋に仕立てられて脳が驚異的に覚醒していく。とんでもない映画だと思ってもみたけど、セリフの内容をよく吟味すると御大の想像力に乗ってしまうのが一番楽しめるだろう。生物の遺伝情報はすべてDNAに記録されているので、それを読み解くことができればルーシーのような能力が発揮できるかもしれない。

台北のホテルの前で、ボーイフレンドにアタッシュケースの配達を強制される。連れて行かれた部屋はマフィアのボス(チェ・ヨンシク)がいて、アタッシュケースを開けさせられる。その際に爆弾でも入っているように警戒される。恐怖におののくルーシーは、中に入っていた新種の麻薬をお腹の中に埋め込まれる。四人の運び屋の一人として目的地に向かわされるはずが、なぜかチンピラに殴られて腹を蹴られてしまう。お腹の中にあった袋が破けて、ルーシーは覚醒する。

その頃、パリのある大学の脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)が「人間は脳の10%しか使っていない」という講義をしている。もしそれ以上使えるようになったら、ものすごい能力を発揮すると説明している。具体的にどうなるかというと、ルーシーの行動で説明される。20、30、40%とどんどん脳が覚醒していくけど、いちいちどうなったのか覚えていない。速読、苦痛を感じない、電波を傍受できる、自分の髪の毛の色や目の色を自在に変えることができる、自分に襲いかかってくる人間を数倍のスピートでかわすことができる。

パリにいるノーマン博士の見ているテレビやパソコンに、自分の姿を写して見せる。まるでネットでつながっているように会話ができる。パリの警察官ピエール・デル・リオ(アムール・ワケド)に連絡を取り、残りの3名の運び屋を逮捕させる。そして、ルーシーは滅びゆく自分の体と知識をなんとか残そうと、ノーマン博士やピエールを味方につけてマフィアと戦うことになる。非常にテンポよく物語が進んでいくので、退屈しない。

ニューヨークの街中で歴史をさかのぼってみたり、最初の人類と思われる猿人と接触したり、地球の起源にまで見たりする。そこまでいくと、人間の脳が活性化しているのではなくて、最新科学の成果の展示ショーみたいになっている。博士や警官と連絡を取ったり、驚異的な車の運転テクニックを見せるくらいまでは人間の脳が活性化すればできそうだ。でもそれから先は、ルーシー自身がやっているのではなくて、リュック・ベッソンの想像力を披露している映像になっている。それでも、楽しい映画だった。

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