96時間/レクイエム

リーアム・ニーソン主演で、元CIAの秘密工作員だった父親が家族のために大活躍するシリーズ第3弾だ。パリとトルコで娘を救うために奮闘した父親が今回も大活躍する。リュック・ベッソン脚本・製作で同じ監督で作ったのだけど、今回はアメリカ国内だけで物語が完結する。映画冒頭からしっかりと伏線がはられており、しっかりとそれを回収する仕組みになっている。脚本としてはよく出来ているのだけど、全体的な物語の広さが少し少ないと思った。結局は家族の問題に完結してしまい、スケールが小さいと思った。ただ、主人公の超人ぶりは十二分に発揮されていた。

映画の冒頭、どこかの事務所に族が乱入してくる。留守番の社員を脅かして金庫を開けさせるけど、中が空っぽだったので怒って帰る。誰の事務所かわからないけど、ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)には関係ない。トルコで犯罪組織を壊滅させて、ロサンジェルスに帰ってきたブライアンは元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)と娘のキム(マギー・グレイス)との仲も良好だ。でも、レノーアは現在の夫スチュアート(ダグレイ・スコット)との不仲をブライアンに相談していた。

ある日元妻からメールがあって、ドーナッツを買って帰ると自宅でレノーアが死んでいた。それを発見した直後に警察が踏み込んできて、ブライアンは犯人にされてしまう。なんとかその場を逃げ切った彼は、最愛の娘キムの安否を心配しつつ真犯人を突き止めるために行動を開始する。CIA、FBI、警察から追われる立場になったとホームページでは書いてあるけど、実際に追っているのは警察だけみたいだ。それに、昔の仲間がブライアンに協力する。

パトカーに乗せられても、簡単に手錠を外して前の席に座っている警官を一人車の外に放り出す。そして、運転しているもう一人も後から羽交い絞めにして、自在に運転して逃亡してしまう。高速道路の逆走もダウンタウンでのカーチェイスも難なく成功させる。ロシアンマフィアのペントハウスに一人で乗り込んでいって、全員をやっつけてしまう。一応昔の仲間の協力があるのだけど、スーパーマンぶりはすごい。

ロシアンマフィアまで話しを広げておいて、最後の黒幕が不仲の男性だったとは物語が小さいと思う。まるで家庭内問題だ。保険金で金を返すという計画自体が、そもそもおかしいのだ。妻の元夫が、工作員という職歴を持っているのだ。普通なら、身内にそんな人間がいる場合には、そんな計画をたてないだろう。冒頭のシーンはよかったのに、終盤の締めくくりが盛り上がらなかった。刑事(フォレスト・ウィテカー)が存在感を見せているのにもったいない。星は二つ。

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