イントゥ・ザ・ウッズ

シンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木、ラプンツェルの童話の登場人物を同じ作品に登場させたブロードウェイ・ミュージカルの映画化だ。「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督で、メリル・ストリープやジョニーデップなどのそうそうたるメンバーが出演している。アカデミー賞では3部門にノミネートされた。四つの童話をうまく組み合わせて、物語が破綻しないのは原作がいいからだろう。子供向けではなく、大人が子供の頃を思い出しながら観る映画になっていた。「I wish(お願い)」が実現するのが童話の世界だけど、現実は簡単ではなくて助け合いが必要だと教えてくれる。分別のある大人だと思っている方こそ、お勧めしたい映画だった。

子供が長年できないパン屋の夫(ジェームズ・コーデン)と妻(エミリー・ブラント)のところに、赤ずきん(リラ・クロフォード)がやってくる。森のなかに住んでいるおばあさんにパンを届けたいと言って店に入ってくる。赤ずきんはパンを買いに来たのに、お金を持っていないみたいだ。パン屋の夫婦はお情けでパンとバスケットも与える。赤ずきんのWISHは、パンを届けたいというものだ。赤ずきんが帰って行くと、隣に住む魔女(メリル・ストリープ)がドアを吹き飛ばして入ってくる。夫の父が自分の畑から豆を盗んだので、夫に子供ができない呪いをかけたというのだ。

その呪いを解きたければ、森の中から「ミルクのように真っ白な牛」(ジャックと豆の木)、「血のように赤いずきん」(赤ずきん)、「トウモロコシのように黄色い髪」(ラプンツェル)、「金色に輝く靴」(シンデレラ)を3日間で探しだして来いと言い出す。ジャックは母親と二人暮らしで、生活が苦しいので乳が出ない牛を隣町に連れて行ってお金にしてこいと言われる。隣町に行くのに、ジャックは森の中にいる。また、ラプンツェル(マッケンジー・マウジー)は魔女が母親代わりになって、森のなかの塔に閉じ込めた娘だ。実際にはパン屋の夫の妹なのだ。そして、シンデレラ(アナ・ケンドリックス)は継母と義理の姉たちにいじめられている。

ジャックは豆を一粒手にれて、自宅の庭にまいていた。そして、大きくなった豆の木をのぼり巨人の国から金貨や宝を持ち帰っていた。ジャックはパン屋に譲ってしまった牛を取り戻すために、また森に入る。赤ずきんは狼(ジョニー・デップ)に騙されてしまうけど、救い出される。さらに、ラプンツェルは王子によって塔から脱出できるし、シンデレラも足の大きさが残してきた靴と合致して王子とカップルになる。彼らがなぜか、森のなかでパン屋の夫婦と合流するのだ。魔女の求める4個の品を差し出すと、魔女の願いがかない若返る。でも、魔法の力を失ってしまう。

そして、ジャックが切り倒した豆の木で死んでしまった巨人の妻が地上に降りてくる。その巨人の妻は歩くたびに地震を起こすので、それを解決しようと登場人物たちが協力することになる。登場人物の願いはある程度叶ったのだけど、無事に森を出ることが必要だ。そのために、彼らは自分たちの願いをかなえるのを棚上げして、困難に立ち向かうのだ。自分たちの願いばかり要求するのではなくて、譲歩して協力するのが面白いのだ。ミュージカルとして歌曲は、セリフにそのままメロディーをつけた感じだ。ファンタジーとしては星4個。ミュージカルとしては普通。

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