信長協奏曲(のぶながコンチェルト)

石井あゆみの同名漫画をTVドラマにした作品の映画化作品だ。小栗旬主演、山田孝之・柴咲コウ・向井理共演でしっかりとTV版の続きになっている。大前提としてはタイムスリップした高校生が主人公で歴史の改変はない。でもその前提の縛りがあっても最大限の解釈を屈指して面白い物語になった。なるほどそう来るかと脚本の苦労のほどが伺える。歴史上の新解釈というよりも、史実と少し違う面もあったが許容範囲だろう。戦のない世の中は必ず来るという高校生の強い思いが素晴らしい。

タイムスリップして戦国時代に行ったサブロー(小栗旬)は、若き日の織田信長として生きることになる。桶狭間の戦いから天下布武をして安土城を拠点にして勢力を広げようとしたさなかから、映画は始まる。本物の織田信長は明智光秀として、側近の中にいた。史実としては秀吉(山田孝之)は備中高松城(岡山市)に張り付いており、映画のような展開はない。

信長が若い時に攻めた村を焼き討ちにしたことはあった。その村人として幼い秀吉がいたとしてもおかしくないだろう。でも、「中国の大返し」をなかったことにするのはなかなかの強引さだ。でも、映画の冒頭でしっかりと秀吉の火傷の件を描写しているので、信長に恨みを持っていることにしておこう。

秀吉を悪役にして、信長に復讐する。それが、本能寺になってしまった。本能寺が終わった後にもしっかりと物語が続くのが、この映画のいい所だろう。ウィリアム・アダムス(三浦按針)がその頃に日本にいたかは問題ではあるけど、サブローと同じスマートフォンを持っているのが面白い。

タイムスリップした人間が元の時代に戻れないと歴史が変わってしまうので、このエンディングでいいのだと思う。「軍師官兵衛」や「真田丸」などの大河ドラマを見ている歴史ファンには、ちょっと物足りない内容かもしれない。でも、丸く収まってよかったと思う。星3個。

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