池上彰の「なぜ世界から戦争はなくならないのか」、全放送文字におこす。

1850年代、アヘン戦争、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などなど近代になっても戦争はなくならない。日本では太平洋戦争以来平和な毎日が続いている。世界では中東のイスラム国が脅威になっている。だんだんきな臭い雰囲気になってきた。そこで、イスラム国の成長を予言しているような記事があったので紹介する。

2005年5月29日30日に、イスラム国の計画書が新聞に発表された。アルカイダのときに予言が書かれていた。イスラム圏に入ったことがある国を勝手に勢力圏として発表した。スペインや北アフリカ、アラビア半島から中国の西部。
2000年から2003年の目覚め。同時多発テロ
2003年から2006年、開眼。イラク戦争。イスラムの地が異教徒の手に落ちる。
2007年から2010年、起立。イスラム圏の中でテロ・
2011年から2013年、アラブの春。シリアの混乱に乗じてイラク・イスラム国を作る。イラク・レバントのイスラム国。
2013年から2016年、国家樹立を一方的に宣言。カリフと名乗る。オスマン帝国からカリフはなかった。
2016年から2020年、全面対決。パリ同時多発テロ、トルコのテロ、カリフォルニアでの銃乱射、それぞれの国で勝手にテロが起きる。イスラム教徒全体に対する偏見が広がる。神の祝福を受けた侵略と声明を発表。日本に対する警告はダビク「安倍晋三の愚かさ故にすべての日本国民は敵になった。イギリスに対する警告でイギリス人を処刑した、
2020年から、最終的な勝利。東京オリンピック。全世界をイスラムにする。

空爆をすると一般市民が犠牲になる。イスラム国は一般市民が生活している中に入り込んでいる。
地上最も裕福なテロリストと呼ばれている。月収8000万ドル(100億円)、石油や天然ガス、税収、資産の没収、すべての経済活動に課税、多額の寄付、誘拐、麻薬、銀行強盗。「かつての領土を取り戻すのだ」という一方的な理由。
対イスラム国で一致していた国が対立することが起きている。ロシアとトルコ、イランとサウジアラビア。ホルムズ海峡をはさんで対立が起きると深刻な事態になるかもしれない。機雷が設置されることがあったら、日本の存続事態が脅かされる。
宗教、民族、経済の違いが戦争のもとになっている。格差や差別をなくす方法は子どもたちの教育から始まる。

戦争は巨大な産業(ビッグビジネス)だ。

アメリカ国民の生活を支えている軍需産業。戦争の民営化、広告代理店がプロパガンダを行う。潤う企業がある。軍隊が使うのは武器。武器を作るのは軍需産業。銃、戦車、戦闘機、銃弾、軍用食、軍服、人工衛星、フェイスペイント、
軍事費はアメリカが73兆円。中国28兆円、
アメリカの企業は14万社ある。下請けはもっとある。ロッキード4兆5000億円82%、ボーイング(オスプレイ、レイセオン、ノースロップグラマン、ゼネラル・ダイナミックス。
イジェフスク機械制作工業、カラシニコフ機関銃は世界で最もたくさん生産されている。一つ一つ手作業で製造している。AK-47。AKM。パリの同時多発テロでも使われた。壊れにくい。砂が入っても作動する。子供でも組み立てられる。扱いやすい。安い。4万8千円。1450円で販売されている国もある。2014年の売上は55億円。
アメリカノースカロライナ州、アシュボロ、人口2万3000人。国防総省からの発注でひと月に戦闘服を3万着作る。同じ工場内でジーンズも作る。65%が軍服の売上だ。給料は出来高制なので作業が早い。防火性能が高い。軍への貢献に誇りを感じている。愛国心を持っている。
アメリカは50州に基地がある。政治家たちが自分たちの州の基地は閉鎖しないでくれと訴える。
民間軍事産業。要人警護や大使館の警護をする会社がある。35社、世界中には100社を超える。


戦地での正規軍と民間軍会社の違いは、ユニホームが違う。民間軍事会社は迷彩服を着ていない。市場規模は、数千億から12兆円の規模がある。
下士官1万68001万2800円。一方民間軍事会社では12万円が一日あたりもらえる。民間軍事会社の社員は戦死者として扱われない。死亡すると年金や手当金が6兆円以上かかっている(正規軍)。戦争の民営化が起きている。

広告代理店、戦争のPRをする会社。ヒルアンドノウルトン、アメリカの世論を湾岸戦争に誘導してほしい。クウェートが依頼して世論を喚起した。クウェート政府が発注した。世論調査をして、「クウェートの市民が残虐な行為にあっている」と訴える。ナイラさんは、「病院でボランティアをしていたら、保育器から赤ちゃんを放り出した」と証言する。新聞が一斉に報道する。ブッシュ大統領がナイラの証言を何回も引用する。14億円の報酬をクウェートから得る。ナイラ証言は嘘だったとわかる。在米クウェート大使館の大使の一人娘で、クウェートに行ったことがないことがわかる。
どうしてわかったのか、ハーパーズマガジン社の社長ジョン・マッカーサー氏「世論を操作する調査をしていた。多くのことを知っているぞと電話をした。ナイラが人前に出て語るべきではないかと秘書に電話する。ヒルアンドノールとんに電話をかけると、「どうして成功したのかと聞くと、成功するとは思わなかった」とわかる。ホワイトハウスがヒルアンドノールトンをクウェートに勧めた。アメリカ政府がクウェートに勧めた。

当時の副社長が証言した。ローリー・フィッツペガド「私はナイラを信じます。スピーチの仕方や話し方を教えただけです」と証言した。一般市民からの反応はなかった。大統領選に突入していたからだ。
軍産複合体。軍は軍医産業に発注する。天下り先になる。政治家に献金や集票をして、予算をつける構造が出来上がっている。
ハリバートンという会社がその筆頭だ。
元副大統領ディック・チェイニー国防長官がハリバートンのCEOになる。息子のブッシュ大統領のときに副大統領になる。会社の株を売却して数十億円を得る。秘密裏に契約をしていた。

防衛装備移転三原則で日本にも軍事産業が育っている。2014年4月に制定された。防衛装備は軍隊が戦闘に使用する武器および技術。「自衛隊は軍隊ではない」ので、防衛装備と呼んでいる。移転というのは輸出ということだ。武器輸出三原則がかつてあった。1967年に佐藤栄作のときに作られて、三木武夫のときに全面禁止になった。人工衛星の技術は輸出しない。武器を輸出するのではなく、防衛装備を移転するのだ。移転していいのは紛争当事国に該当しない、我が国の脅威にならない。使用目的が納得できる場合に限る。
日本の安全を維持するために、アメリカ・イギリス・オーストラリアとの協力体制を持つ。
経団連も提言した。三菱重工、川崎重工、日本電気、ANAホールディング、三菱電機、株式会社IHI、富士通、東芝、小松製作所、三井造船、

防衛装備庁が防衛省の中に作られた。

横浜で開催されたマストアジアという展示会が開かれた。潜水艦「そうりゅう」型636億円。ディーゼル型の潜水艦。救難飛行艇「US-2」125億円、辛坊治郎さんを救出したのがこの飛行機。悪天候でも救出した。3メートルの波があっても着水できる。不忍池でも着水できる。
日本には武器を作る技術はないけど、電子メーカーの技術は世界最先端にある。アメリカは大歓迎している。

2016年度の防衛費は5兆円を超えた。「抑止力を確かなものにしていく」と安倍晋三は言っている。

戦争の記憶をたくさん集めている国はドイツがある。ドイツが戦争をどのように伝えているのか。ケルン、エリー・ホイス・トラスト学校では半年間かけて勉強する。第二次世界大戦の責任は誰にある。「ドイツと国民です」と答える。質問に答えるのに、ナチス式敬礼をしないで一本指で挙手する。今の若者に罪はないけど、世界平和への責任を自覚しないといけない。歴史を学ぶ2泊3日の旅行に同行する。

ラクセンハウゼン強制収容所、働けば自由になると書かれているがそれは嘘だった。水も食料ももらえず、ユダヤ人の内蔵を食べたという。浴槽は水しかなく、トレイは一人30秒しかない。殺される人が決まると金歯を見つけるために裸にされた。
ドイツの取り組みはそれだけではない。ユダヤ人の棺をかたどったモニュメントがある。ユダヤ人が住んでいた場所を示す石が道路に埋め込まれている。親から子供へ自然に伝わるようにしている。シリア難民を積極的に受け入れているのはその流れにある。

戦後70年間戦争をしてこなかった国には、ソ連もある。ソ連本国が戦地になっていないだけだ。

なぜ戦争は始まってしまうのか。ヒトラーの場合、戦争をおこして経済を復興させようとした。「私の人生そのものはドイツ復興の言葉しかない。これからの私はドイツ帝国の一兵卒になる。ドイツは必ず勝利する。」と国会で演説する。
東条英機の場合、日本は中国侵攻でアメリカに原油輸出を禁止される。「我が国はいまだかつて戦争に敗れたことがありません。自存自衛のために立ち上がるのです。建国2600年我が国は戦争に負けたことがありません。太平洋戦争の戦死者2000万人。」元寇では勝利したけど、朝鮮出兵では負けたのではないか。

ジョンソン大統領、トンキン湾事件。「わが軍に向けられた攻撃はアメリカ国民全員に向けられたものだ。東南アジアの平和のために立ち上がる。約300マン人の戦死者。

イラク戦争、ブッシュ大統領「大量破壊兵器で安全を脅かすならずもの国家に戦いをする、自由と平和のための戦いだ。」
でも、大量破壊兵器は見つかっていない。

空気を読まないと非国民と呼ばれてしまう。


大阪朝日新聞は、「中国との脅威は存在しないと」と書いていたけど不買運動が起きてしまう。そこで、「満蒙国家を作ることには賛成だ」と方針転換する。ラジオ放送の聴取者が激増した。
1980年にCNNが誕生した。ニュースばかりを流すチャンネルが生まれた。1991年に湾岸戦争が起きるとCNNの視聴者が激増する。
フォックスニュースはイラク戦争の戦車の上から実況中継を行った。アメリカの視聴者はアメリカ軍と一体になっていく。

1982年フォークランド紛争が起きる。3ヶ月で1000人の死者が出た。イギリス軍対アルゼンチン軍と呼んだ。BBCは我軍とは呼ばなかった。

戦争で利益を得る組織がある。それにはメディアもあるのだ。戦時中の日本の新聞のようになると国民は正確な判断ができなくなる。





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池上彰の「なぜ世界から戦争はなくならないのか」、全放送文字におこす。
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