スポットライト 世紀のスクープ

この事件報道をわては新聞などで見聞きした記憶がある。ボストンのローカル新聞社が暴いた過程は知らなかったけど、全世界にスキャンダルが広がって大問題になったのを覚えている。エンディングクレジットで出てくる国はまさにカトリック教会のあるすべてと言っていい。全世界に衝撃を与えたこのスクープがどのように生み出されたのかを丁寧に描いている映画だった。アカデミー賞作品賞と脚本賞を獲得しただけのことはある。

カトリック教会はボストンでは人口の半分以上が信者で、警察署や検事・裁判所・弁護士まで非常に深い影響力を持った存在だ。日本ではそんな影響力を持った組織はないだろう。児童への性的虐待というナイーブなスキャンダルに果敢に挑んだ新聞社のスタッフがすごい。ボストン・グローブという新聞社の特集記事班は4名の記者だ。熱血漢のマイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)、リーダーのウォルター・ロビンソン(マイケル・キートン)、紅一点のサーシャ・ファイファー(レイチェル・マクアダムス)、データ分析が得意なマット・キャロル(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)だ。

マイアミからやってきた新しい編集局長のマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)は、新聞の部数を増やすために徹底的に掘り下げた題材を探す。そこで見つけたのが、カトリック教会の牧師による児童虐待事件だった。最初は一つの案件の調査だったのが、弁護士や検事、裁判所まで巻き込んだもみ消しの痕跡を見つける。それは、該当の牧師が転属してその任地ごとに事件を起こしていたからだ。

牧師が事件を起こすと、転属、休職、病気療養などの理由をつけて一旦姿を消すことがわかる。それを逆算して、任地変えの理由から該当者を割り出して、その牧師が何をしたのか探っていく。

裁判所に保管されている証拠書類が突然を消えてしまったり、弁護士は業務上の秘密を理由に調査に協力しない。また、検事も教会の上層部との関係を大切にするので大きな事件にしない。そんな壁が次々を出現する。新聞社の中でも過去にその問題が読者から投稿されたけど、大きな扱いをしなかった汚点も出てくる。

社会がひっくり返ってもいいから、真実を追求してよい方向に向けるという新聞記者の姿勢がすばらしい。こういうマスコミが日本でも存在してほしいと強く思った。星5個。

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