君の名は。

新海誠という監督をわては知らなかった。脚本監督を担当しているので、将来が大変に楽しみになった。高校生の男女が夢の中で入れ替わるコメディだと先入観を持っていたら、とんでもない内容のアニメ映画だった。序盤から三葉の祖母が脈々と執り行う神事が後半の展開に大きく影響してくる。主人公たちは高校生から大人まで描かれているので、ぜひ劇場で見て欲しい。人智を超えた宇宙の営みみたいな物語だった。

山深い田舎町で祖母と暮らしている三葉は、都会の生活にあこがれている。疎遠な父は町の町長だし、誰とも顔見知りの生活が嫌で嫌でたまらない。しかも、祖母は昔からある神社の神事を三葉に引き継いでもらいたいと思っている。踊りを奉納するのはどこの神社にもあるけど、人間が咀嚼した米を発酵させてお酒を作るなんてことは珍しい。しかも、ご神体はさらに山奥に入った秘密の場所にある。

一方、東京の男子高校生・瀧はバイトに精を出しながら都会生活を満喫している。そんな二人が千年ぶりとなる彗星の接近をきっかけに、夢の中で入れ替わるようになる。それが何回も続いて、本当に入れ替わっていることに気がつく。そして、お互いが誰でどういう生活をしてうrのかメモに残して交流をするようになる。夢の記憶はすぐに失われてしまうので、メモを残した。それが我々観客はリアルタイムの入れかわりだと思い込んでいた。

少しネタバレするしかないので、注意してほしい。地球の近くを通過するだけだった彗星から別れた隕石が地上に落下してくる。三葉は入れ替わりによって自分の村が消滅することを知る。それは神社で言い伝えられてきた伝承そのものだった。まさか1000年の時を超えて伝承が現実になるなんて、考えられない。消滅を知った彼女がいくら必死になっても、現代人を避難させるのは難しい。

それが、瀧が彼女の住んでいる地を訪問することで劇的に変わっていく。3年の時間差があったという説明があったけど、わてにはうまく理解できなかった。村の湖だった場所が実は大昔に隕石の落ちた跡だったこともわかる。自然の時間の流れは人智の及ばないことも多いのだ。避難訓練で全員助かったという結末と全員が消滅したのと、どっちが本当なのか決められない。観客それぞれが、決めればいいことだろう。

監督としてはあのようなラストを持ってきたので、ハッピーエンドが常識的だ。それにしても、映像のきれいなことよ。星5個。

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