真田十勇士

舞台の演出を担当した堤幸彦が監督し、同じく主演の中村勘九郎が映画にも出演している。NHKの真田丸と比較するまでもなく、なんだかわからないけど劇画的な印象を受けた。九度山に幽閉されている描写で、しっかりと紐も見えたのでそれなりの考証はやっていると思う。それでも、一番心踊るのが合戦の数万の軍勢が移動するシーンだと感じたのは、物語の希薄さのせいだろう。

真田幸村(加藤雅也)が全くの腰抜け侍だったとしても、その設定はいい。要は周囲の知恵者が揃っていれば問題ないと思う。ところが、まともなやつは猿飛佐助(中村勘九郎)と雲隠才蔵(松坂桃李)だけで、ほかのメンバーは頼りない。メガネをかけた計算が得意な人はそれなりの特技だけど、ほかのメンバーは何が特技かはっきりしない。槍が得意なやつがいた。

九度山から出るところ、出城である真田丸を作るところ、堀を埋められるところ、夏の陣の突撃シーンなど盛り上がる場面は多かった。でも、わてがよかったと思ったのは、夏の陣の家康の近くまで攻め込む下りだった。


これは喜劇なのかもしれないけど、笑う演出をしているようには思えない。合戦のシーンには相当力が入っていて、時間もお金もかけている。


徳川側が大砲まで用意しているのに対して、豊臣側は鉄砲しかない。工夫した戦い方ができているうちは善戦したけど、堀を埋められてかたは難しい。滅びの美学があるのかと思えば、どうも付け足したエンディングがそれを打ち消している。星2個。

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