ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ハリポタシリーズのJ・K・ローリングが新しく書き下ろした新シリーズの第1弾だ。ハリーが使っていた教科書「幻の動物とその生息地」の著者となる魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが主人公になっている。ハリポタよりも80年位昔の物語でアメリカのNYが舞台になっている。第1次大戦後の好景気の世の中で、高層ビルが建設中だ。人間と魔法使いが勢力争いをしており、人種差別よりも深刻だ。さらに、双方の内部でも内紛があるし異端の存在が排除しようとする。そんな難しいことは考えなくても、独特の魔法動物が面白い。

キラキラ光るものが大好きなビーバーみたいなニフラー、木を守る生き物で鍵を外すことができるボウトラックル、オラウータンみたいな格好で透明になるやつや、飛ぶと嵐を起こすザンダーバードもいる。胴体が蛇で羽があるやつや、サファイアブルーの昆虫みたいややつもいる。他にもニュート(エディ・レッドメイン)が持っているトランクの中には、たくさんの不思議な動物が入っている。

NYの港に降りったったニュートのカバンから魔法動物が逃げ出す。そのカバンは人間が入ることができるほどの空間がある不思議なものだった。そのカバンを人間のパン屋を目指しているジェイコブ(ダン・フォグラー)が間違えて持っていってしまう。もちろんカバンの扱いに慣れていないので、少しカバンが開いて中にいた動物が脱出する。たくさんの魔法動物が飛び出したので、一部で大混乱が起きる。

間違ってカバンを持っていったジェイコブと、動物の持ち主のニュート、それに偶然居合わせた魔法省のティナ(キャサリン・ウォーターストーン)の3人が逃げ出したやつを捕まえに街中を探し回る。ティナの妹のクイニー(アリソン・スドル)も加わる。そんな彼らに対抗するような魔法反対論者がメアリー・ルー・ベアホーン(サマンサ・モートン)だ。養子のクリーデンス(エズラ・ミラー)らを使って、魔法反対のビラを巻く運動をしている。そのクリーデンスをスパイにしているのが、魔法省の長官のパーシバル・グレイブス(コリン・ファース)だ。

人間の世界でも異端児を排斥する差別主義者はいる。さらに、魔法界でもわざと人間と魔法使いを対決させて勢力拡大をしようとするものがいる。どちらも自分の欲望を叶えようとしているのが興味深い。魔法動物の特徴もその頃の人間の欲望や恐怖を反映しているようにも思う。つまり、科学では説明できないものは認めたくないとか自分と違うものは嫌だという感覚だ。こういう物語の着眼点を追求していくと、お話はいつまでも続くことになる。

これは楽しみなシリーズが始まったもんだ。星5個。

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ラストでコリン・ファースの顔があの海賊でおなじみの俳優になるけど、次回は彼が出るのかな。???


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