ゴースト・イン・ザ・シェル

士郎正宗原作の漫画「攻殻機動隊」を、スカーレット・ヨハンソン主演で映画化した作品だ。押井守監督のアニメが有名なのだけど、わてはあまり物語の内容に詳しくない。草薙素子の名前は知っているし、レンズみたいな目のバトーも知っている。でも、映画を見ると物語の背景や内容がわかってしまうのがすごいところだ。実写化ですごいお金をかけているので、2D吹替版での鑑賞でも仰天する映像体験だった。

脳だけ生身の人間から生かすことができれば、そのほかの手足や内蔵は機械でも人間と同じように生活ができるのだ。一番大変なのは脳から出ている神経と機械化された全身との信号のやり取りだ。それを非常に微細なナノ技術によって解決してしまった。さらに、記憶まで電脳化して操作できる。そんなことは、絵空事だとは言えないくらいの現実的な表現だったのだ。

少佐(スカーレット・ヨハンソン)は両親と移動中に事故に合い、瀕死の重傷をおう。両親は死亡して、自身は脳だけ助かって義体化されていた。最初はその運命に愕然とするが、公安9課という精鋭部隊に配属されてその役目を果たすようになる。その世界では、生身の人間、一部だけ義体化、脳以外義体化、完全なロボットなど色々な生態の人物が存在する。情報は高度に集約されており、現在のインターネットよりも進んでいる。公安9課はサイバーテロ専門の部署だ。

少佐たちは、ハンカ・ロボティック社の関係者が何者かに襲撃されている現場に突入する。接待ロボットがその会社の幹部から情報を盗み出している現場で、何者からの企みを阻止する。その正体を探るために少佐は、接待ロボットの機械的な脳に同化する。すると、夢で見たことがある映像を見つける。そこから、少佐やバトー(ビル・アスベック)、9課の課長荒巻大輔(ビートたけし)たちは、犯人探しを始める。

そこからの展開はどうもよくわからない。少佐を始末しようとする黒幕が敵らしいのは理解できるけど、どこでどうなったのかついていけなかった。脳と機械化された全身との信号のやり取りに成功するまでに、何回も失敗しているらしいことはわかった。人体実験をしているような感じだろうか。

でも、この映画の楽しみ方は少佐やバトーの驚異的な戦闘能力や高度に電脳化された世界観を堪能することだと思う。そんな世界では何が本当のことかなんて、誰もわからないのだ。現代だって、テレビやパソコンの向こう側の世界との乖離が起きている。漫画の世界だけの話ではなく、現実のことかもしれないと思うと怖くなるのだ。星4個。

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