アウトレイジ 最終章

北野武監督・脚本・主演の反社会的勢力の抗争を描いた第3弾だ。組織名などの詳しい内容はもう忘れてしまったけど、今作を見ていくうちにわかる。アメリカのマフィアでも今時こんな派手なことはしないと思うけど、映画の世界なのでいいのだろう。シリアスな部分もあるのだけど、どこか笑える部分が垣間見えるのが面白い。銃撃戦は様式美を追求されており、見事な映像だ。花菱会の内部抗争はなんかどこかの政治の世界みたいで、リアリティーを感じた。

韓国の済州島に逃げている大友(ビートたけし)は用心棒みたいな役目をして、生活している。日本にいられなくなったのでそちらに行ったのだろう。遊びに来ていて花菱会の花田(ピエール瀧)が女性を傷物にしたと問い詰められて、チンピラを殺害して日本に帰ってくる。そのチンピラは、日本と韓国の裏社会のフィクサー張会長の手下だった。いくら日本の暴力団でも、韓国の組織とドラブルは避けたいところだ。

ということで、花菱会の幹部が張会長のところに謝罪に行くのだけど、相手も簡単に納得するわけもない。花菱会は関西に拠点を置いていて、関東では山王会がいる。横浜に張会長がいる。花菱会の現在の会長が、元証券マンで娘婿として組織に入ったよそ者だった。叩き上げの連中からはよく思われていないので、陰謀が巻き起こる。ここらへんの争いは、まさに政治の世界だと思う。

さて、トラブルの発端となった花田は威張っているけど、ベッドの上ではマゾで女性に縛られて喜ぶ性癖の持ち主だ。済州島での騒ぎも、彼は責められていたはずで、それが満足できなかったから怒ったのだ。そして、大友が日本に帰ってくると、その弱点をつかれて爆発してしまう。この方法なんて、笑えてしまうほど皮肉に満ちている。

他にも、娘婿の会長も入れ墨の入っていない身体を土の中に埋められて、首だけになって車に惹かれてしまう。それも、口だけの男という意味だろうか。こういうふうに見ていくと、かなり工夫して始末する方法を選んでいると思った。組織の存続の危機なのに、出所祝で乾杯なんてしている面々はことの重大さがわかっていないのだ。暴力とユーモアを融合した変な映画だと感じた。星3個。

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