マイル22 最後にネタバレ解説します(反転文字)

ピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグ主演のコンビで作られた4度目の作品になる。サスペンス・アクションという。CIAの極秘任務に就くチームが大国のために大義のためにやっていると思ったら、実はとんでもないことに巻き込まれることになるという物語だ。最初からマークが尋問を受けている状態で話が進むので、彼だけは生き残っているとわかる。ではほかのメンバーはどうなったのかは、映画を見てほしいと思う。いやはやハードな映画でしたよ。

今までの特殊部隊の映画では大国同士の攻防やテロリストの野望を防ぐパターンが大半だった。ところが、今回は大国のある個人が自分の立場を利用して復讐をするというのだ。こんなことは今までになかったことで、現実にも起きているのかもしれない。映画の冒頭で、クリスマス111番の番地にある白い家を探してジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)のオーバーウォッチチームが作戦を行っている。でも白い家のはずなのに、薄い緑色の家であった。それでも襲撃して家の中にいた全員を抹殺した。

その中に18歳の青年がいたことから少し問題になったけど、それもすぐに忘れられた。数カ月後、東南アジアのある国でセシウムを含む核物質が盗まれる事件が起きる。アジトを捜査すると武器と絵画しかなかった。しかも絵画は贋作だった。数発分の核物質を見つけないと一大事である。ところが、情報源である現地の警官リー・ノア(イコ・ウワイス)がアメリカ大使館にディスクをかかげて出頭し、亡命したいと言ってくる。さっそく大使館の中に入れてディスクのパスワードを聞くがアメリカへの輸送機に乗せてくれないと言わないという。

さらに現地の外交官や警察がノアを引き渡せと押しかけてくる。しかもディスクは暗号化されていてパスワードを聞き出さないといけない。大使館内部でもノアが襲撃されしまう。一刻の猶予もなくなる。仕方がないので、シルバたちはノアを大使館から輸送機が来る飛行場までの22マイル(35.4km)を護送することになる。一旦大使館を出たらもう治外法権はなく、バイクや車で相手が襲撃してくる。2台目の車が爆破されて1台になってしまったり、バイク軍団が機関銃で襲う。

大きなアパートに逃げ込んでも大勢で襲撃してくる。彼らの頼りは偵察衛星や防犯カメラの映像を使った指令基地からの指示だ。離婚でもめているアリス・カー(ローレン・コーハン)が最後まで戦いノアと逃げ延びる。またノアを演じるイコ・ウワイスの格闘技技がすごい。雨あられと降る銃弾をくぐり抜けてやっと輸送機までたどり着く。でも、それはロシアの女性将軍の18歳の息子を殺された復讐だったのだ。体内に埋め込んだマイクロチップで脈拍数がわかり、死のうとしているノアを止めることができない。

これはもう大国の正義やテロ抑止ではなくて、母親の子供を思う愛情がこの作戦を行わせたのだ。もはや混沌として救いようがない。でも、観客は最初から提示されるヒントである程度予想できるだろう。それも難しいけど。星4個。

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お待ちかねの解説ネタバレです。白い文字にしているので反転して読んでください。また鑑賞していない方は見ないでね。
三重スパイとはどういうことか。ノアはロシアで訓練されたロシア所属の特殊部隊の一員です。指をつんつんする動作はロシアのレーダー観測機の中にいた部下と同じ癖でした。そのノアがまず東南アジア某国に侵入して情報をロシアに送る。その中でアメリカが求めそうな情報をアメリカのCIAに流す。そこまでで二重ですね。それから、アメリカに亡命すると言い出してロシアの指示でシルバの特殊部隊を抹殺する。それで三重になりましたね。だから東南アジアの某国はさんざんコケにされたので、殺したいと思うでしょう。
ノアがなぜロシアで訓練されたのかは指の癖でわかるし、政情不安定を保つにはアメリカとの代理戦争にちょうどいいのです。アメリカもノアを利用しているので、現地の国は頭に来る。
最後のシーンで輸送軍用機に乗ったノアの脈拍が異常に上がっている。それが死を覚悟したものの証拠だとわかる。そこで機長が襲われるとか言っているので、自爆するのだと思う。ノアの目的は息子の敵討ちであるシルバやそのチームの抹殺だからです。ロシアに逆らうとこうなるよと示す狙いもあったのでしょう。でも、代わりはいくらでもいるというのが本当のところですね。


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この記事へのコメント
こんにちは。
弊ブログにも詳しい解説をコメントしてくださりありがとうございました!
国のために命を賭けるそれぞれの国のメンバーが熱かったです。
ここも「戦場」だということなのでしょうね。それでマーク・ウォルバーグとピーター・バーグのコンビでこの作品が生まれたことに合点がいきました。
Posted by ここなつ at 2019年01月24日 12:59
ピーター・バーグ監督がこのような作品…
このような結末と言うべきでしょうか…
撮影するとは思ってもみませんでした。
ここからシルバの反撃とはならず、あまりヒットしなかったようなので続編は製作されないでしょうね。
Posted by BROOK at 2019年01月24日 13:02
ここなつ様、丁寧なコメントありがとうございます。国のためと言えるかどうかが微妙なんですよね。上司の命令には絶対服従ですからね。
Posted by とらちゃんとらちゃん at 2019年01月24日 20:05
BROOK様、あの結末は本当に飛行機を爆破させるわけにはいかないですからね。あまりヒットしないのはどことなくこぢんまりした感じがしたからでしょうか。続編を作るような娯楽性がないと思います。ありがとうございます。
Posted by とらちゃんとらちゃん at 2019年01月24日 20:10
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