キャプテン・マーベル

マーベル原作のキャプテン・マーベルをブリー・ラーソン主演で映画化した作品だ。アベンジャーズというのはマーベル出身のヒーローたちの集合体でオールスター軍団という存在だ。そんなアベンジャーズ誕生前の1990年代を舞台して、強大なパワーを手にいれた代償として記憶を失ったヒロインが色々な経験を経て自分らしさを確立する。娯楽的な要素と真面目な主張を両立させた深い作品になった。

物語は実に複雑でわかりにくい。主人公のヴァース(キャプテン・マーベル)は、クリー帝国の精鋭部隊「スター・フォース」のメンバーだ。彼女は記憶喪失なのだけど、夢でフラッシュバックに悩まされている。その記憶を狙っているのが、姿を自在に変えるスクラル人だ。ヴァースは元々地球人だったけど、なぜか手から光線を出すフォトンブラストという能力を身に着けていた。どうやら、その能力を得た時に記憶を失ったらしい。

その失った記憶の中に、スクラル人の求めている秘密があるようだ。最初はヴァースはスクラル人を敵視しているのだ。物語もその展開で進むので、観客も思い込む。でも、実際にはスクラル人は故郷を失って放浪している難民みたいな存在だった。そして、クリー帝国は宇宙で勢力を拡大している征服者の姿が本来のものであった。一番壮絶なシーンは、ヴァースがキリー帝国の呪縛から解き放たれて、自分の力を自在に制御てきるようになるところだ。

楽しいのはヴァースが地球に落ちてきて、レンタルビデオ屋に突っ込む。いかにも90年代のものだ。そして、シールドのエージェントであるニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が特殊技術で若返っている顔で、相棒になる。そして、猫が仲間になる。その猫は可愛いのだけど、本当は怪物というのも面白い。

一番爽快なのは、ヴァースが覚醒して自在に空を飛べるようになるところだ。強大なエネルギーを放出して、あらゆるものを破壊できるくらいになる。宇宙空間にも飛んでいって、宇宙船を破壊してしまう。スピード感が素晴らしい。フューリーが使っているポケベルを改造して、宇宙空間でも信号が伝わるようにする。それが、次回作への布石になっている。

女性や黒人でも空軍のパイロットとして活躍しており、侵略者だと思ったら実は難民だったというように、どっかの大統領の考え方と反対の見方を主張するのがさりげない。それが説教臭くないのもいい。

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