キングスマン
マーク・ミラー原作、マシュー・ヴォーン監督製作で映画化されたスパイ映画だ。キングスマンという洋服の仕立屋がどこの組織にも属さない国際的なスパイ組織だという。ジェームズ・ボンドやジェイソン・ボーンもいいけど、遊び心があってスタイリッシュで格好いい。どこかシリアスからかけ離れていて、ユーモアも含まれているのがとてもいい。何よりも映画館を出たあとに、自分も彼らのように自動車の運転がうまくなって格段に強くなっている気持ちになっていた。影響されやすいとヒーローになってしまうのだ。
貧困地区に住む青年エグジー(タロン・エガートン)は大学をやめて実家に帰っている。母の情夫は地区のボスみたいな存在で、頭が上がらない。仲間と車を盗んで大騒動を起こしたエグジーは一人で警察に捕まる。そこで、エグジーは子供の頃に父が亡くなったときに受け取ったペンダントの裏に書いてある電話番号に電話をかける。すると、身なりのいい紳士ハリー・ハート(コリン・ファース)がやってくる。そして、自分のところに来ないかと誘う。
半信半疑のエグジーは、地元の不良たちを一人でやっつけてしまったハリーの実力を認めて仕立屋「キングスマン」を訪問する。そして、ほかの候補者と合流して試験を受けることになる。その中には女性のロキシー(ソフィー・クックソン)もいた。メンバーの中には名門大学出身のものもいて、馬鹿にされる。でも、部屋の水没や地下鉄の線路に縛り付けられたり、愛犬を撃ち殺す試練もくぐり抜けて正式なメンバーになる。
エグジーとロキシーが新しいメンバーに加わり、IT富豪のリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)のすすめるSIMカードで人類を凶暴化させてお互いに殺し合いをさせる策略を食い止めるために動き出す。地球環境の悪化で人類の存続が危ぶまれているのを解決する方法として、人間の数を減らすのがいいと考えたのだ。それを、スマホやネットに接続しているノートPCに入れるSIMカードからの電磁波で人間を凶暴化させるのだ。アメリカの教会の中での殺し合いにハリーが一人で潜入して、全員を倒してしまう。
そのシーンをワンカットで撮影したというのだから、すごいのだ。何よりも面白いのは、防弾性の傘を使ったアクションだ。傘の中心からも銃撃ができるので防御と攻撃の両方の武器になっている。毒の入っている万年筆や手榴弾のライター、靴先に仕込まれた猛毒のナイフなど現実味のある武器もいい。宇宙空間まで実際に飛んで人工衛星を破壊するのもスリリングだ。敵の協力者の頭が吹き飛ぶのを花火にしたのは笑ってしまった。ポップな音楽とユーモアあふれる映像表現、驚異的な身体能力によるアクションと楽しい映画だった。星4個。
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