ジェイソン・ボーン

とらちゃん

2016年10月08日 23:34

マット・デイモンが第3作目以来9年ぶりに帰ってきたシリーズ5作目だ。4作目はマット・デイモンではないので、これが新しいシリーズになるのかもしれない。記憶を失ったCIAの秘密工作員という設定は同じで、3作目の延長となる。物語に継続性を持たせるために、彼の父親がプロジェクトに関係しているということで始まっている。

いいところに目をつけたもので、その秘密を元同僚のニッキー(ジェリア・スタイルズ)がハッキングでボーン(マット・デイモン)に知らせる。当然CIA本部でハッキングされたことは判明して、追跡が始まる。長官のロバート・デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)は、ヘザー・リー(アリシア・ヴィカンダー)を派遣する。一方、裏ではアセット(ヴァンサン・カッセル)という凄腕の殺し屋を使ってボーンを殺そうとする。

本部の危機感は「スノーデン級」というけど、それほどの切迫さは伝わってこなかった。それよりも、検索大手サイトのCEOと密接な関係を結ぼうとするデューイが都合のいい返事が得られないと、殺し屋に始末させようとするのが怖いと思う。これは表向きの見解なんだけど、実際にはすべての通信はアメリカが牛耳っているようにも感じる。

ネットのアクセス状況を調べると、アメリカだけではなく中国やロシアなど強国は情報戦争を繰り広げている。知らないのは一般市民だけというのが、本当のところかもしれない。若手CIA女性エージェントのリーが、なんとかボーンを自分のコマとして使いたいと変化していくのが興味深いと思った。どこから、彼女がそんな野心を持ち出したのかはっきりしないけど、やっていることは先人たちと同じみたいだ。

ロスでSWATのトラックが乗用車を突き飛ばして疾走するのが痛快だった。監視カメラのアングルを計算して、自分がどのように見られているかわかって逃げているのがすごい。ボーンもアセットも監視カメラやスパイ衛星の追跡を意識している。我々凡人には想像もできない。現実はもっとプライバシーのない状態になっているように思えてならない。この映画で描かれているような肉弾戦で物事が解決すれば、苦労はしない。星3個。

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