未来のミライ

細田守原作・脚本・監督のタイムトラベルをテーマにした物語だ。主人公は4歳の男の子で、曽祖父から続く家族のつながりと未来への展望を扱っている。甘えん坊の4歳児くんちゃん(上白石萌歌)は、妹ミライの誕生に嫉妬する。お母さんやお父さんの関心が妹に集中していまい、自分が放置状態になったからだ。すると、未来から妹のミライちゃん(黒木華)が女子高生の姿でやってくる。二人で、時空を超えた旅をするということになる。

ある時は曽祖父の時代に行って、馬に乗せてもらったりバイクにも乗る。ある時は、母(麻生久美子)の娘時代に行って様子を体験する。父(星野源)の子供時代にも行って、どんな子供だったのか体験する。それから、過去だけでなく未来にも放り出されてしまい大冒険をする。その大冒険のシーンが面白いのだ。いつも遊んでいる電車のおもちゃがなかなか片付けられないくんちゃんは、電車マニアだ。未来の東京駅に放り出されて迷子になる。迷子になって、ロボットの案内係に自分がどこの誰でどこに行きたいのか言わないといけない。

迷子になったら、自分の名前くらいは言えないと困るのだ。しかも、そこは誰も助けてくれない未来の東京駅だ。くんちゃんは、変な方向に向かう列車に乗せられそうになる。でも、赤ん坊のミライちゃんを見つけて救い出して、元の世界に戻ることができた。
自宅で飼っているワンコが、変な格好の男になって出現したり、まあ独特な世界が展開される。

この映画は特に何かを主張したいわけではないと思う。それよりも、観客がそれぞれの立場で感じることを願っているのだと思う。なんというか、家族は子供を生んで、その子供がまた大きくなって誰かと結婚して子供を産む。それが繰り返されることで、自分は存在しているのだということだ。昔は家もないところで、馬がいたような原っぱだった。でも、今は住宅地になって鉄道も通り、駅前には大きなビルがある。

そんな時代の変化とともに、人間は世代を引き継いでいくのだ。なんとなく、そんなことなのだと思う。山下達郎が歌うオープニングとエンディングテーマは、贅沢なものだと思った。


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