ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

ハリポタシリーズのJ・K・ローリング原作のファンタビシリーズ第2弾だ。魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公にした冒険の物語だ。おそらく第一次世界大戦前の世界が背景だと思う。前回のラストでジョニーデップが登場したけど、今作では彼が牢獄から逃げ出して悪巧みを勧めていくのだ。そのやり方はあたかも現実世界の独裁者そのものだ。例の独裁者のやり方は彼のように一見すると正義の味方みたいに思えてくる。主役のエディ・レッドメインを食ってしまっているように見えた。このシリーズはまだまだ続きそうな気配があるので、長い気持ちで楽しみたい。

クリーデンス・ベアホーン(エズラ・ミラー)を操っていたのは、黒い魔法使いグリデンバルド(ジョニー・デップ)だった。グリデンバルドは牢獄から脱走して魔法界だけでなく、人間界も支配しようとする。彼の言うことは非常に心に染み入ってくる。弱みに漬け込み大変に気分がよくなる。人間たちの存在は許容することができるが、我々魔法族の権利を拡大しようと訴えるのだ。これは実に色々な人々の心に付け入る要素を持っている。特に、魔法族の力が弱い地方では熱狂的に受け入れられる。

案の定、パリではグリデンバルドは仲間を獲得していく。パン屋だった人間のジェイコブ(ダン・フォグラー)と恋人の魔法族のクイニー(アリソン・スドル)は、許されない関係である。特にクイニーはジェイコブが大好きで仕方がない。なぜ所属が違うだけで許されない関係になるのか、理解できない。そこで、グリデンバルドの主張を受け入れてしまう。わては、彼女の気持ちが大変に理解できると思った。それほど、人々の心に入り込みやすい。

そして、もう一組の迷える者は自分の出所を探し続けているクリーデンスと、ナギニ(クローディア・キム)だ。二人共魔法使いらしいけど、グリデンバルドが面倒を見ている。というか、彼しか頼れる人がいないのだ。これは疎外された存在である。そんな疎外された集団をニュートやダンブルドア(ジュード・ロウ)らが、追跡する。魔法省は魔法使いという集団を守るために規律を重視する。そのためには、外れた行動を取るグリデンバルドを取り締まろうとする。

ダンブルドアはホグワーツ魔法学校の先生をしているので、街には出ることができない。ほかにも色々と理由があるようだけど、よくわからないのだ。ハリポタで分霊箱の一つだった大蛇が、ナギニの変身した姿であることもわかった。何かに囚われると、人間の姿に戻れなくなるのだという。第二次大戦前の時代背景を色濃く写した物語は、現実世界の歴史とリンクしながら進んでいくのだと思う。なんでも、ファンタビシリーズは5作あるらしい。あと、三つどんな物語が続くのか楽しみだ。星5個。ただし、まだ大河ドラマの序盤という段階だ。

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