SP 革命篇
昨年11月に公開された「
SP 野望篇」の続編となる作品だ。「大儀のために多少の犠牲は仕方ない」という尾形総一郎(堤真一)や伊達國雄(香川照之)の計画がいよいよ実行されて、井上薫(岡田准一)たちがそれを阻止するのが大筋だ。前編に比べると、やることが多いのでテンポよくお話が進む。国会議事堂の衆議院本会議場を占拠するのだから手際のよさが必要だ。全く見事な展開で見ごたえがあるけど、首謀者たちのほんとうの目標がどうも中途半端だと思った。東北地方の大地震の後ということもあって、さめた気分がした。
尾形は身辺整理をして、生活感のない部屋からなにやら覚悟を決めた顔つきで出勤する。警視庁警備部警護課第四係のメンバーもそれぞれの休日を終え朝の挨拶をする。井上の幻覚症状は治まっていた。笹本絵里(真木よう子)、山本隆文(松尾諭)、石田光男(神尾佑)ら四係は別々の人物の警護につくが、全員が国会議事堂に集まるようになっていた。同じ警護課のもう一つの班も同じ行動を取る。SPたちが集まるのと同時に、謎のテロリスト集団もエアコンの保守点検や見学者を装って侵入する。
衆議院本会議場では麻田(山本圭)内閣不信任案が議題になる。当然全衆議院議員が座っているわけで、国の重要人物が集まる。テロリストたちは手際よく参議院との連絡路を封鎖して、別のSPチームと尾形が衆議院本会議場の封鎖を行う。そして、テロリストと尾形は審議が始まった本会議場に突入して、占拠する。衛視たちは武器を携行していないので、全く相手にならない。
同じ頃第四係は、尾形の命令で予算委員会の議場を調べるように命令される。尾形は、第四係が占拠事件に関わらないようにして自分が裏切られた場合の保険にしたかったのだと思う。尾形と共謀している与党幹事長の伊達や外で待機している尾形と同期の官僚たちは、どこまで意思統一できているのかわからない。本会議場の演台に立った尾形が拳銃を一発天井に発射すると、議員たちは静まり返る。そして、閣僚たちの悪事の数々を白状させる。全国に生中継されているのだから、注目度は抜群だ。
井上たちはなんとか占拠事件を阻止しようと、徐々に動き始める。その手際がよくてスカッとする。敵がどこにいるのか把握して、少しづつ包囲網を小さくしていく。本会議場に突入してテロリストをやっつけて無事に議員たちを救出するが、総理の麻田と尾形が姿を消す。井上が追いかけていき、尾形を捕まえる。でも、まだ続編があるような終わり方をしたので、商売がうまいと思った。
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