L.A.ギャング ストーリー
ポール・リーバーマン作のノンフィクションをもとに、ルーベン・フライシャーが監督・製作したギャングと警察の戦いを描いた作品だ。ロス市警はバッジを外した特別部隊を結成してギャングを抹殺しようとする。情け容赦ない銃撃戦が展開されて、一瞬も気が抜けない映画だった。飛び交う銃弾の数が膨大で使われる銃の種類も多岐に渡る。両者の違いは、金儲けを目的にしているか悪の排除を目的にしているかだけだ。警察内部や判事や政治家まで買収されている腐敗を掃除するのは並のことではない。
第二次大戦後のアメリカの裏社会の映画で、「
ゴッドファーザー、
ゴッドファーザー2」や「
バグジー」を見たことがあると非常にわかりやすい。ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)の名前が出てくる。それらの映画で出てくる裏社会の面々は警察も政治家も買収したけど、このロスのようなやりたい放題をやっていない。実際にあったことをもとにした物語なので、大筋は間違いないのだろう。
まだ西部劇の保安官が活躍しているような社会構造なので、このような警察とギャングの全面戦争が可能になったのだろう。パーカー市警本部長(ニック・ノルティ)は全く取締ができないミッキー・コーエンを野放しにできないので、特別部隊「ギャングスター・スクワッド」を結成する。リーダーには、ジョン・オマラ(ジョシュ・ブローリン)、ジェリー・ウォーターズ(ライアン・ゴズリング)、コールマン・ハリス(アンソニー・マッキー)、コンウェル・キラー(ジョヴァンニ・リビシ)ら6名である。
最初は作戦も何もなく無鉄砲に殺しまくる方法だが、盗聴器をコーエンの自宅に取り付けたことで急所をついた攻撃ができるようになる。そして、極めつけはコンウェルが突き止めた電話を使った私設馬券場の攻撃だ。シカゴより西のすべての競馬場の私設馬券場を運営すれば、半端ない利益が得られただとう。でも、この馬券場を襲撃してお金を全く奪わなかったことで、襲撃チームが警察だとばれてしまう。ゲリラ戦をしろと言われているのに、あまりゲリラっぽくない。いい意味でも悪い意味でも、牧歌的だと感じた。まるで西部劇みたいなのだ。
コーエン側も反撃して、チャイナタウンで部隊を罠にかけたりジョンの自宅を襲撃したりする。そして、何よりもハラハラするのはプレイボーイのジェリー・ウォーターズとコーエンの愛人グレイス・ファデラー(エマ・ストーン)の関係だ。バレたら殺されるのがわかっているに、関係をやめることができない。グレイスをかくまった友人が殺されてしまう。その一部始終を見ていたグレイスが証人になるということで、逮捕状が出される。警官側も綱渡り状態で、勝てたのはマスコミもうまく使ったからだろう。一人のボスを始末してもまた次が出てくるんだけど。
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