ザ・サークル
エマ・ワトソン主演のSNSをテーマにしたサスペンス・ドラマという感じの映画だ。ハーマイオニーを演じていた頃の面影はなく、すっかり大人の女性を演じられる女優になった。SNSがもてはやされて万能というか、コミニケーションの道具として大いに使われている。日本ではそれほどでもないけど、アメリカや中国のネット普及率はすごい。その延長で行き着いた世界のひずみを描いている。
イイネ、シェアという用語が出て来るのでもうどのSNSを念頭においているかわかるだろう。巨大SNS企業ではすべてをオープンにすれば犯罪のない安全な世界が来るという幻想に持ち上げられて、主人公のメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は1000万人以上のフォロワーをかかえるまでになる。でも、プライバシーはなくなり、友人や家族に被害が及ぶようになる。
フォロワー1000万人というのは、ハリウッドの大スターと同じレベルであるけど、ホランドは一般の会社員だ。全く割に合わないことなのだ。莫大な報酬があるなら、豪邸に住みプライバシーは確保されるだろう。移動は専用車にして、生活はベールに包まれる状態になる。でも、ホランドの場合ただの会社員であるから、裸で通りを歩いているようなものだ。
そんな状態で人間が耐えられるわけもなく、この取組は失敗する。どうも、極端な設定にやりすぎたことで現実味がなくなってしまった。この映画も見たのは2017年だけど、記事を仕上げているのは2019年だ。
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