るろうに剣心

ワーナーが本格的に映画作りをすると、漫画の奇想天外な物語が現実的なチャンバラ映画に出来上がった。ワイヤーもVFXも使わないでここまで見事なアクションを見せられると唸るしかない。刀の使い方が従来の日本映画と異なるけど、これは新しいスタイルの確立だろう。佐藤健という俳優は単なるアイドルだと思っていたけど、これほどの鋭い目つきで人斬りを演じられるのだ。脚本もしっかりとできていてテンポもいい。外国への配給も視野に入るのだと思う。

幕末、京都伏見の戦いで幕府軍は敗北する。その戦場で維新軍の一人に”人斬り抜刀斉”がいた。一人で何人もの敵を斬り捨てる腕の持ち主は、新撰組でも捕らえることができなかった。廃刀令のために、明治政府が設立したあとは軍人以外は武装を解かれた。おそらく抜刀斉は、緋村剣心(佐藤健)と名前を変えて逆刃刀に持ち替えても放浪しないと生存できなかっただろう。明治維新から10年という時代設定が、大変にうまい。

東京の一角に武田観柳(香川照之)という実業家がいて、高荷恵(蒼井優)にアヘンを作らせて金儲けをしていたとしてもおかしくない。その周辺で再び”人斬り抜刀斉”が出現して無差別に殺人を繰り返していた。亡き父の道場を引き継いだ女剣士神谷薫(武井咲)は、自分の流派を名乗るその相手に立ち向かう。女性で敵うわけもなく、剣心に助けられる。薫は剣心を抜刀斉だと思い込むけど、どうも勝手が違い道場に連れて来る。門弟がいなくなった道場に居候することになった剣心は、ニセ抜刀斉(吉川晃司と武田観柳らの一味に立ち向かうことになる。

彼らの道場の周辺は水の利がよくて、港を整備して倉庫街にするのに適していた。アヘンを日本中から世界に売りさばいて金儲けを企てる武田らは、道場周辺の住民たちに嫌がらせを始める。高荷恵の作ったアヘンを道場周辺の井戸に入れて中毒を起こさせるが、逃げ出した高荷恵が解毒方法を指示して救う。元新撰組で現在は警官である斎藤一(江口洋介)や、けんか屋の相楽左之助(青木崇高)らが剣心の味方になり武田の一味に立ち向かう。最終兵器は、よく西部劇で出てくるガトリング銃だ。香川照之の悪役ぶりが大変にはまっている。

わては漫画もアニメも知らないけど、登場人物が個性豊かで起承転結もしっかりと物語に組み込まれている。アベンジャーズもいいけど、これもたっぷりと楽しい映画だった。

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この記事へのコメント
さっきTBいただいたんですけど、2日前に既にいただいてますよ。あれ、おかしいなあ、と思ったら私も既にTB済みでありました。
Posted by 佐藤秀 at 2012年08月29日 20:51
佐藤秀さん、いつもお世話になっています。
ここのところのシステム変更で混乱しました。
どうも申し訳ありません。
Posted by とらちゃん at 2012年08月29日 20:57
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