イコライザー
80年代後半のTVドラマ「ザ・シークレット・ハンター」を、デンゼル・ワシントン主演、アントワーン・フークア監督で映画化した作品だ。元CIAの凄腕エージェントだった男性が、夜カフェで出会った少女のために搾取するマフィアを抹殺する物語だ。現代版「必殺仕事人」みたいな内容で、日本のドラマとは違いリアルな設定で秒殺の殺し屋の凄さをたっぷりと見せてくれた。デンゼル・ワシントンの鋭い眼光が光ると、周辺にいる人間は数秒で殺されてしまう。遺恨が残らないように徹底的にやっつける物語が、台風一過のような爽快感を味あわせてくれた。
ホームセンターの建設資材売り場で働くロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、同僚に頼りにされるリーダー的な従業員だ。ガードマンになる試験を受験しようとしている同僚には、食事の管理から体力づくりまで手伝うし、レジで強盗が来ていたらすかさず助けに入る。それを上司にわからないようにやるスマートさも持ち合わせている。そんなロバートは、過去を感じさせるものを自宅に置かず夜眠れない悩みがあった。夜には近所のカフェで静かに読書をするのが日課だった。
ある日、いつものようにカフェの隅で読書をしていると、少女娼婦のテリー(クロエ・グレース・モレッツ)が顔にあざをつけているのを見つける。元締めのロシアン・マフィアに客を拒否してので、殴られたと知る。そしてついには病院に入院するまでに怪我をさせられたとわかる。ロバートが見舞いに行くと、テリーは絶対安静状態で話せない。同僚から話を聞いたロバートは、正義の怒りを爆発させる。
最初に向かったのは娼婦の元締めである地元のマフィアの事務所みたいな酒場だ。一番奥の部屋まで単身入って行くと、テリーという少女を知っているか聞く。一笑にふされると、ロバートは扉に内側から鍵をかける。中に人数や武器のありかを一瞬で察知して19秒で全員を始末した。そして、裏口から誰にも察知されずに姿を消した。あまりの鮮やかな手口に、ロシア本国からテディ(マートン・ソーカス)が派遣されてくる。ロバートは、汚職警官のあぶりだしなどからマフィアを追い詰めていく。最初は相手を手強いやつと思わなかった悪党サイドも、だんだんと本気で対抗してくる。
ロバートは悪徳警官の一人から重要情報を入手すると、全面戦争に持ち込む。その前に、CIAを引退した元上司夫婦を訪ねて、ロシアから派遣されたやつの正体を調べてもらう。集金場所や石油基地を破壊して、資金源を断ち切る。マフィア側はロバートを徹底的に調べて、職場のホームセンターの同僚人質に取る。ホームセンターにマフィアを誘い出して、色々な商品を使って始末していく。もちろん銃も使うけど、音を立てないようにするのだ。現実的でアメリカなら起こりえる事象なので、緊迫感が半端ではない。最後の最後まで、見逃せない映画だった。
クロエ・グレース・モレッツが大人になっていて、びっくりした。
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