武士の一分

武士の一分藤沢周平原作の小説2編を、山田洋次監督が映画した作品だ。「たそがれ清兵衛」と「隠し剣鬼の爪」を、わては映画館で見た。そして、今回は木村拓哉が主演だ。

この映画の一番のポイントは、キムタクが時代劇にうまく順応できているかどうかだ。笹野高史の家来役の存在感が際立っていて、主役を食ってしまっている。しかし、キムタクの木刀さばきなど、見事な一面もあるのでだめな映画ではない。

檀れいとの夫婦ぶりもまずまずの出来だろう。敵役の坂東三津五郎がうますぎるので、キムタクには酷だった。テレビドラマ俳優が一人だけ混じった時代劇という感じがして、わてはどうも違和感が消えなかった。少し、残念だ。ゴロゴロ。

詳しくは、HPへどうぞ。

2006年12月17日 22時01分
藤沢周平原作の時代劇シリーズ、「たそがれ清兵衛」と「隠し剣鬼の爪」に続く山田洋次監督の第3弾だ。舞台は、これも東北地方の小藩だろう。殿様の毒見役の下級武士が、巻貝の毒に当たり失明してしまう。その困難な状況に手を差し伸べた藩の上役が、主人公夫婦の幸せを踏みにじった時に見せる侍の誇りを描いた映画だ。木村拓哉と檀れいが夫婦役で登場する。脇役には、笹野高史や桃井かおり、坂東三津五郎らが固めている。檀れいはスクリーンデビュー作であるが、それほど違和感はない。でも、木村拓哉がテレビドラマ俳優の域を脱し切れていないので、浮いてしまっている。特に、家来(中間)役の笹野高史がうますぎて主役を食ってしまった。

キムタクは木刀を盲目になった後に、始めて気合を入れて振るシーンでは形になっている。余程、剣術の練習をしたと思われる。立ち回りのシーンはそれなりの迫力があるが、肝心のお芝居がいけない。小藩の下級武士であるので、もっと土臭い感じがあるはずなのにそれが出ていない。笹野高史の江戸時代からやってきたような演技と比べられるのが、気の毒になってしまう。中間というのは、決まった武士の家に代々仕えるもので、子供の頃からの主人を知っているという人間だ。キムタクの映画ではなく、笹野高史の映画だという感じもした。

盲目になってしまった三村新之丞(木村拓哉)は、自分の将来を悲観的に考えて絶望してしまう。生きる気力もなくし、死ぬ気まで起きる。でも、幼い頃から三村家に仕えて夫婦になった妻・加代(檀れい)は、「孤児だった私を拾ってくださった子供の時から、あなたといっしょにいられるだけでよかった」と言い、思いとどませる。

親戚一同が集まる会合の前に、加代は娘時代から知り合いだった上役の島田(坂東三津五郎)に「困ったことがあれば、訪ねてこられよ」と声を掛けられる。それを昔馴染みの親切心からの言葉だと思い込んだ加代は、夫の窮状を救う唯一の助けだと島田を訪ねる。でも、島田は三村の身分保障など全く考えておらず、加代の体が目当てだった。その真実を知った三村は、武士の一分を掛けて果し合いを申し込む。

一度は離縁して加代を家から追い出して、剣の訓練に励む。そこからの展開は、なかなか見応えがある時代劇になった。終わり方も後味がよくて、心温まる。それにしても、この作品に出演している脇役は、芸達者ぞろいだ。


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この記事へのコメント
とらちゃん、見てきたんですね?
まゆも行きたいと思っています、山田洋治監督作品が好きなんです!

NHKの大河もそうだけど、脇を固める役者が歌舞伎俳優さんやベテラン俳優さんがいると、侍の立ち振る舞いが見てて気持いいですよね!
確かに主役さんには酷ですね、でも・・キムタク好きだから、構いませんわ♪
Posted by まゆさん at 2006年12月13日 01:49
まゆさん、こんにちは。
キムタクの好きな方には、絶好の映画です。
色々なキムタクが見られて、最後にはいい感じのエンディングが待っている。
こんなたまらない映画は、なかなかないですよ。ゴロゴロ。
Posted by とらちゃん at 2006年12月13日 07:42
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