デス・レース

とらちゃん

2008年12月02日 23:35

バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督が、監督・製作・脚本・原案と担当した近未来カー・バイオレンスアクション映画だ。車のアクションもすごいが、銃撃戦に重点が置かれているので車マニアには物足りないだろう。娯楽的B級アクションのお手本みたいな映画で、ゲーム的な要素もプラスされていて面白い。

それにしても、今から4年後のアメリカがこうなってしまうと製作者が思っているとは自虐的だ。さらに、使われている車が大排気量のいかにもアメ車ばかりというのも笑ってしまった。物語の展開は、勧善懲悪の娯楽作品なので心配することはない。PG-12なので、人がどんどん死んでしまうが映画の中の話だと割り切ってほしい。

経済が破綻して失業率が何十パーセントにもなった2012年のアメリカで、製鉄所に勤めている主人公ジェンセン(ジェイソン・ステイサム)は首になってしまう。さらに妻殺しの汚名を着せられて、凶悪犯ばかりが集まる孤島の刑務所に収監される。その刑務所は民間企業の運営で、利益は「デス・レース」という車のレースをネット中継して得ていた。
その刑務所の所長は女性だが、冷酷非道なヘネシー(ジョーン・アレン)だ。刑務所の所長は、レースのプロデューサーでもあるわけだ。そのために、世界中にいる観客を引き付けるレースの舞台を提供しないといけない。刑務所内の通路や道路をコースにした危険な周回路を、マシンガンを取り付けた改造車で走る。凶悪犯の囚人がドライバーをつとめ、殺しあってもいいというとんでもないルールだった。

5回連続で優勝すると自由の身になれるという条件をえさにして、囚人たちのやる気を出させていた。看板ドライバーのマスクが死んでしまったので、元レーサーのジェンセンが無理やり連れてこられたわけだ。ネット視聴率を上げるためになんでもやる女性所長の非道さは、相当のむちゃくちゃぶりだ。昔の映画で「マッドマックス」を思い出すが、銃弾の数が桁違いだ。ゴロゴロ。
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