ソウ ザ・ファイナル3D

とらちゃん

2010年11月03日 21:15

ライオンズゲートという映画製作会社を一躍発展させた「ソウ」シリーズの7作目で、3Dにしたものだ。1作目を見たときの感想は思い出しても衝撃的だった。もう張本人のジグソウは死亡していて、その後継者によって殺人ゲームが続けられる。一応生き延びる方法もあるけど、ほとんどの人間が無残な方法で殺されてしまう。そのゲームの対象になる人間はそれなりの理由があるけど、ここまで残虐な手法を使われると映画マニアにしかお勧めできない。わてはこういう映画も好きなので、よく考えて作っていると感じた。

映画の冒頭で前6作の象徴的映像が紹介される。その映像を見ても、予備知識がないとどういう話かわからないだろう。警察関係者で唯一の生き残り、ホフマン刑事(コスタス・マンディロア)はもう仕事をしていない。ジグソウ(トビン・ベル)の遺産で暮らしており、凶行を続けることしか考えていない。一方、ジグソウの妻ジル(ベッツィ・ラッセル)は、静かに暮らすことを望んでいるように見えた。

ある日、繁華街の中でガラス張りの部屋に男2人が電動ノコギリでつながれている。その上には、男2人を手玉に取っていた女性が吊り下げられている。その後、不気味な人形が状況を説明する。男性二人が助かりたければ、女性を犠牲にしろという。衆人注視の中で、惨劇が起きてしまう。その後、人種差別的考えで犯行を繰り返していた白人グループが、犠牲になる。警察は全く手がかりがつかめずに、お手上げ状態だった。
ホフマン刑事の標的は、彼の秘密を知っているジルだ。それと、生前のジグソウが歩ける頃にジグソウの事件から生きのびたと嘘をついていたボビー・デイゲン(ショーン・パトリック・フラナリー)だった。6作もシリーズがあると、大怪我をしても生き残った人間がいる。その人々は、精神的なダメージのためにひっそりと暮らすのが普通だ。でも、ボビーは「SURVIVE(生き残る)」という本を出版して、ジグソウの殺人事件からの生き残りだとマスコミにも出て金儲けをしていた。

彼は被害者の会のリーダー的存在になって、注目を浴びていた。でも、サイン会のとき、ジョン・クレイマー(ジグソウ)という読者から不気味な忠告を受けていた。もう、そんなことをすっかり忘れていたボビーは、ジグソウの後継者であるホフマン刑事の魔の手が伸びていることを知らなかった。ホフマン刑事は、ボビーだけでなく、広報担当のニーナ(ナオミ・スニッカス)、弁護士のスーザン(レベッカ・マーシャル)、マネージャーのケイル(ディーン・アームストロング)、ボビーの妻ジョイス(ジーナ・ホールデン)を拉致して無理やりゲームに参加させる。

3Dの特性を生かして、喉にとがったパイプが刺さる仕掛けや目と口に棘が刺さる仕掛け、目隠しされて板を渡らせられたり、ボビー自身は自分で抜け出した仕掛けにはまってしまう。もう、ホフマン刑事は暴走しすぎていて、警察署まで標的にしてしまう。ここまでやりすぎたら、当然止める役目の人間が出てきた。なんとそれは、1作目で生き残ったドクター・ゴードン(ケイリー・エルウィズ)だ。

脚本としての出来は、あまりいいとは言えない。第1作が一番いいのはこういうシリーズでは、よく言われる。ジグソウの妻ジルの殺され方は、全くのルール違反だ。ここまで引き伸ばしたのだから、ファイナルにしていいだろう。他にも色々おかしいシーンがあるけど、それは映画館で確かめて欲しい。
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