特攻野郎AチームTHE MOVIE
2010年09月29日 22時55分
TOHOシネマズららぽーと磐田で、先行上映を見た。TV版の記憶はかすかにある。1980年代にアメリカをはじめ日本でも放送されたTVシリーズの本格映画化された作品だ。難しいことを考えずに見られる、ミリタリーアクションエンターテイメントになっている。イラク戦争の撤退間際に罠にはめられて、本格的なお話に入っていくのでメキシコでのチーム結成のきっかけは1990年代になるのだろうか。時代にあったアクションが大変新鮮で、ハイテク装備を使ったアイディアをたっぷりと楽しめる。
「作戦は奇をもってよしとすべし」がモットーのリーダー・ハンニバル:ジョン・スミス大佐(リーアム・ニーソン)と、二枚目で女性に手が早いフェイス(ブラッドリー・クーパー)がメキシコでギャング相手に逃げ出すところから映画は始まる。ハンニバルは犬のえじきにされそうになるところを、脱出してフェイスを助けに行く。フェイスはすでに捕まっていて、タイヤですまきにされている。ハンニバルが道路で立っていると、車でやばい仕事をやってきたB.A.(クライトン・ランベイジ・ジャクソン)が通りかかり、強引に仲間になる。
ハンニバル、フェイス、B.A.の三人は車でメキシコのある病院に逃げ込んで、パイロットであるマードック(シャールト・コプリー)を仲間にする。メキシコ側の追っ手がヘリを使っているので、逃げるのにもヘリが必要というわけだ。でも相手が軍用ヘリなのに、こちらは患者搬送用のヘリというのが笑える。なんとかアメリカ側に逃げ込んで彼らは、8年後イラク戦争撤退中の現場にいる。
もうアメリカに帰るというのが本来の令名なのに、米ドル紙幣の原版が盗まれてバクダッドのゲリラ集団が持っているという情報が入る。そこには米軍の上官、CIAのエージェント、民間軍事企業のブラック部隊がからんでくる。この設定が、TVシリーズとは違って現代的だ。トレーラーの奪還に一旦成功するが、罠にはめられて原版を奪われて将軍が亡くなりAチームは軍事法廷に送られる。
10年の禁固刑を言い渡されて、別々の軍事刑務所に収監された4人は半年おとなしくしている。でも、なんとか脱獄して名誉を回復するために自分たちを罠にはめた一味を追う。ここから、空から落下傘で落下する戦車に乗り移って無人攻撃機を防いだり、ビルの途中の階に突入するために真下に移動する技を見せたりする。この現実離れしたアクションもいいのだが、フェイスの元恋人ソーサ(ジェシカ・ビール)を巻き込んで情報戦も見ごたえがある。
それと、ドルをどんどん印刷するというのは、現在のアメリカがやっている経済政策のようで笑えてきた。CIAと軍情報部の確執も現実的だと思う。こういう皮肉が利いているのも、ユーモアだろうか。とくかく、おもしろい。
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