ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
2003年02月24日 21時44分13秒
前作から、もう一年も経ったのですね。時間が経つのが早い。わてが、びっくりして見た事を思い出した。すごいスケールだったことを覚えているが、今度もすごいです。特にいいのが、ロケ地であるニュージーランドの自然とCGの画面が違和感なく融合していることだ。また、日本のゴジラではないが、ミニチュア模型を使った特撮も導入している。
450mの塔を166分の1の2.7mの模型で再現している。まさに細部の細部まで、こだわった撮影だ。木の鬚という木の精が出てくるが、これも高さ4m50cmの動く模型を作って再現している。また、ゴラムという指輪の元の持ち主で、醜い姿になった怪物も登場するが、その表情も実際の俳優が表情を演じて、CGと組み合わせるという手の込んだことをしている。このこだわりから生まれた映像は、まさにエンターテイメントの極地と言ってもいい。人物描写も今回は、丁寧だ。わては、大満足した。でも、後の余韻はあまり残らないのだ。これが、不思議だ。
お話は、旅の仲間が三つに別れてそれぞれ違う道を行く。ところが、目的は指輪を持ったフロドを助けて、その指輪を葬り去ることだ。だから、別れていてもお互いに通じ合っているのだ。この辺の構成もいい。
指輪を託されたフロドとサムは、指輪の元の持ち主のゴラムに指輪を奪われそうになるが、何とか道案内をさせることに成功する。だが、指輪の魔力でフロドは、苦悩に襲われる。その苦悶の戦いが、たっぷりと描かれている。サムの身を挺した引きとめによって自分を取り戻すが、闇の力は底知れない恐ろしさを轟かせる。
ピピンとメリーは、迷い込んだ森の中で木の精、エント族の長老「木の鬚(ひげ)」に会う。そこで、二人は長老に助けを請うが断わられる。ところが、ピピンとメリーはめげない。ここがいい。闇の勢力たちによって破壊された森を見せて、長老を説得するのだ。なかなか頼もしいことではないか。
アラゴルン、レゴラス、ギムリの三人の戦士たちは、死んだと思われていた魔法使いガンダルフと再会する。そして、闇の勢力サルマンの軍勢に攻め込まれたローハンの国を守るために戦うのだ。この三人は前作でも大活躍したが、ピピンとメリーもたくましくなるし、サムもなかなかいい。そして、指輪の持ち主となったフロドの悪への誘惑との戦いも物語りに深みを与えている。
そして最大の見せ場は、ローハンという国のヘルム渓谷での人間・エルフ連合軍と闇の勢力・サウロンの軍団の戦闘だ。紀元前の中国の秦の始皇帝のころの戦いと非常によく似ている。梯子を使った戦いは、映画「始皇帝」に出てくるが、それ以上に戦闘シーンの迫力はものすごい。
1万人のサウロンの軍団の不気味さと梯子などを使った城壁の攻略方などは、ものすごい迫力だ。指輪物語の原作者トールキンは、このような戦闘方法を知っていたのだろうか。多分、ローマ帝国などの勢力拡大の方法などから、把握していたのかもしれない。
とにかく、スケールが大きいのでこの世界に入りきれないと映画は楽しめない。わてのようなミーハーは、すぐに入り込めるので、非常に楽しかった。映画館で見れば、もうお腹いっぱいになれる。次回作も絶対みたい。もし、この映画が面白くない人がいるのなら、ああもったいないとわては、同情する。
関連記事