ロビン・フッド:プリンス・オブ・ウェールズ
2003年10月26日 14時39分59秒
1991年公開のケヴィン・レイノルズ監督、ケヴィン・コスナー主演の作品だ。同じ年の公開でジョン・アービンが監督した作品もあるが、こちらの方が娯楽大作としてはおもしろい。
12世紀後半のイギリスは、獅子心王(ライオンハート)リチャード1世が統治していたが、1190年から第三次十字軍で留守にしていた。そこで、弟のジョンがフランスと共謀し勢力を広げようとした。それに気が付いたリチャードは、1192年サラディンと和議を結び本国に戻ろうとする。しかし、帰途神聖ローマ帝国に捕らえられ捕虜になってしまう。身代金を支払ったリチャードは1194年にやっと本国に戻り、悪化していた治安を回復する。
色々な説があるようだが、ロビン・フッドが活躍したのはリチャードが本国に戻れなかった1193年から1194年頃のお話のようだ。伝説は今から700年以上さかのぼるが、現存する古書は1450年から1500年頃までの数冊がある。また、民衆の間に広まって芝居になったり、人々の伝承によって伝えられたようである。
さて、映画のストーリーである。十字軍の遠征から帰還したロビン・ロックスリー(ケヴィン・コスナー)は、父親が悪魔崇拝者として殺された事を知る。また、ノッティンガム城には代官(アラン・リックマン)がいて、横暴の限りを尽くして民衆を苦しめていた。ロビンは、ムーア人のアジーム(モーガン・フリーマン)を連れてきており、上陸した時に子供を救いお尋ね者になってしまう。
ロビンは父親が殺された真相を確かめるために、幼馴染で国王の従妹に当たるマリアン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)に会いに行く。ところが、追っ手が迫ってきて充分話ができずに逃げることになる。ロビンとアジームは、シャーウッドの森に逃げ込み、森の中にいる荒くれ者のリトル・ジョン(ニック・ブリンブル)や生意気な若者ウィル(クリスチャン・スレーター)と仲間になる。
ロビンたちは、代官や貴族を襲って金品を奪い、貧しい民衆に分け与えた。次第にロビンたちの人気が出てきたことに、代官は策略を考えメアリーと結婚し、国王と親戚になることを思いつく。そんな中で、ロビンたちの仲間が捕まり公開処刑が行われる事態になってしまう。メアリーとの結婚式の余興に処刑をするというのだ。そこへ、ロビンたちは少ない人数で助けに向う。
全くよくできた娯楽大作で、テンポもよく、スリルありロマンスありの楽しい時間をすごすことができる。また、貴族同士の争いや宗教関係者の腐敗の描写もあり、なかなか見ごたえ充分だ。
ケヴィン・コスナーの1980年代後半から1990年代前半の映画は、なかなか良い作品が多い。
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