RONIN
2003年01月22日 20時43分59秒
1998年公開のジョン・フランケンハイマー監督のアクション・スリラー映画だ。ロバート・デ・ニーロとジャン・レノが主演で、最近の多作のデ・ニーロ作品の特徴的なお話だ。こういうアクション映画では、細かい話の展開や人物描写の希薄さを気にしてはいけない。わては、こういう映画ではミーハーになりきるようにしている。
これは、わての得意技だ。見る映画によって、どうすれば楽しめるのか考えるのだ。だいたい、最初の5分くらいでこれは判断できる。元を取るには、いい方法だ。
さて、「RONIN」という題名だが、映画の中では忠臣蔵のことを示唆している。でも、これは間違いだ。西洋人には、わからないだろう。吉良上野介の首を槍の先端にくくりつけて、江戸の明け方に帰る途中で、民衆が食べ物を差し入れたりして歓迎されたことは、史実に残っている。また、幕府でも四十七士の処遇には、相当問題になった。同時の民衆の不満などの時代的背景を何も知らないのでは、話しにならない。
赤穂浪士ではなく、武士を捨てた浪人もしくは大学受験に失敗した受験浪人の方が近い。または、ドクターを終了したドクター浪人か。彼らは、冷戦の終結によって職にあぶれた諜報部員なのだから、手段はあっても目的はない。だから、金を貰えばスーツケースの中身が何かわからなくても、任務を遂行しようとする。
これはこれでいいのだが、ほんとうのプロなら依頼人の正体や依頼の内容を確認する。だから、かれらは「RONIN」なのだ。泥棒なら逃げる方法も考えて、仕事にかかる。不器用な彼らにとって生き残るのは、至難の技だ。その辺もこの映画は、考慮されている。6人の各国のスペシャリストが集まるが、生き残るのは3人だけだ。「RONIN」の悲しさか。
スーツケースが、次から次へと持ち主を変え奪われたり、奪い返したりおもしろい。また、カーチェースもすごい。BMWとシトロエンが登場するが、ハイウェーを逆走するところや、狭い街中を疾走するシーンなど見せ場はたっぷりだ。
何も考えずに楽しむ、それがこの映画の見方だ。
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