ロンゲスト・ヤード

とらちゃん

2018年10月24日 22:18

2004年12月16日 14時45分
1974年公開で、バート・レイノルズ主演の刑務所を舞台にしたアメリカン・フットボールの映画だ。レイノルズ自身が大学時代に実際にプレーをしていて、怪我のために選手生活を断念した経験もあることから、ほんとうに生き生きと演技をしている。今作に出演している頃には、俳優としてキャリアを積んでおりまさにやりがいのある演技をしたと思う。監督はロバート・アルドリッチだ。刑務所内の看守と囚人同士の対立や、それぞれのグループ内での争いも描かれていて脚本がすばらしい。もちろん、アメリカン・フットボールの試合の様子は本場ならではの迫力ある映像を楽しむことができる。傑作だ。

NFLを引退して数年後のポール・クルー(バート・レイノルズ)は、金持ち女に囲われてはその日を過ごす自堕落な生活を送っていた。ある日、そんな生活に嫌気が差して、その女性の車で逃げ出してしまう。警察に追われたクルーは、窃盗・交通違反・公務執行妨害・器物破損などの罪で刑務所に入れられる。その刑務所は、シトラス刑務所といい、ヘイゼン所長(エディ・アルバート)が看守たちのフットボールチームを作って職員のやる気を出させると共に自分の名誉欲を満たそうとしていた。

所長は、ポールの輝かしいNFLでの業績を見て看守チームのコーチをやってくれと頼む。そんなことを頼まれて、ポールはまっぴらだと断る。すると、沼地の開拓作業に回される。ポールは現役時代に八百長をしており、それをからかう囚人も多かった。そして、看守長のナウア(エド・ローター)はフットボールチームのキャプテンで、所長とは対立関係にあった。所長は、今度の対外試合で絶対に勝てとナウアにはっぱを掛ける。

沼地の開拓作業をしている時に、仲間の囚人と取っ組み合いのけんかをして、看守にも逆らったためにポールは懲罰坊に入れられる。そこで、まいってしまったポールは所長に会うことにする。すると、所長は看守チームの実力を聞いてくる。ポールは正直にあまり高くないと答える。そこで、所長はどうすればいいか聞くので、ポールは弱いチームと練習試合をするのがよいと答える。所長はその考えに乗り、看守チームと対戦するために囚人たちのチームをポールに作るように命令する。

そこで、ポールは人集めを始めるがなかなか集まらない。親しくなった世話係り(ジム・ハンプトン)の助けを借りて、用具を集めたり人間を集めていく。やがて、古い知り合いのコーチに出会い、黒人たちも仲間に入れていく。やっと、チームの状態が出来てくるが、世話係りをねたむ囚人も出てきて事件が起きてしまう。また、試合当日になると所長がわざと負けろと言ってくる。しかも、刑期を延ばすと脅迫してくる。

試合の前半は、拮抗したいい展開だったが、後半は所長の圧力で点差が開き、囚人チームに怪我人が続出する。でも、ポールはこのまま終わりたくないと徐々に考えを変え始めていた。全く、素晴らしい映画だ。最後にポールがボールを取りに行くシーンは、名シーンだ。純粋にスポーツをすることの素晴らしさを実感できる。一見の価値はある。是非、レンタルでもいいので見て欲しい。

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