リディック
2004年08月10日 21時13分02秒
トリプルXでブレイクしたヴィン・ディーゼルが、主役になった全く新しいSF超大作が誕生した。5年前に「ビッチブラック」という作品が前作ということであるらしいが、それとは予算も出演俳優も全く違い、監督のデヴィッド・トゥーヒーとヴィン・ディーゼルだけが同じだけらしい。29ヘクタールの広さのセットを作って、一つのセットの大きさが2階建てのビル一つ分ということもあるほどの巨大で豪華な設備のもとで撮影したそうだ。こだわりはこれだけではなく、衣装から武器・宇宙船の形まで凝りに凝っている。わては、この映画を見てどう理解したらいいか判断できなかった。それほどの驚きを観客に与えるのだ。
物語は、現代の世界から遥かな未来の話だ。5つの惑星から指名手配をされているリディック(ヴィン・ディーゼル)が、トゥームズ(ニック・チンランド)から追われるところから始まる。なんと、通常の賞金の何倍もの報奨金をかけられていたのだ。リディックはその理由を探るために、旧友イマム(キース・デヴィット)の住んでいるヘリオン第一惑星に向かう。すると、イマムは自在に姿を変えられるエレメンタル族のエアリオン(ジョディ・デンチ)にリディックを会わす。
法外な報奨金をかけたのは、エアリオンだというのだ。エアリオンは、「今、宇宙を我が物にしようとしているロード・マーシャル(コルム・フィオーレ)率いるネクロモンガー軍団を倒せるのは、フューリア族の生き残りのリディックだ。」と言う。そんな予言を簡単に信じないリディックだったが、運命は彼をその渦中に巻き込んでいくのだ。
ヘリオン第1惑星の陥落から、危機一髪で逃れたリディックはわざと賞金稼ぎのトゥームズに捕まり、イマムといっしょに昔過ごした少女キーラ(アレクサ・ダヴァロス)がいる刑務所惑星クリマトリアに向かわせた。昼は700度、夜はマイナス300度というとんでもない環境下の惑星クリマトリアは、一旦収監されたら脱獄は不可能と言われていた。ところが、リディックはキーラを連れて簡単に脱獄してしまう。その根底にあるのは、なんとしても生きるという執念だった。
一方、ネクロモンガー族はロード・マーシャルという「聖なる半死人」と言われる生物の命を簡単に奪う力をもつ司令官に支配されていた。その軍隊を率いるのは、司令官ヴァーゴ(カール・アーバン)とその妻デイム(タンディ・ニュートン)だった。デイムは夫をそそのかし、密かに権力の座を狙っていた。そんな陰謀が計画されているネクロモンガーの本拠地に、リディックは乗り込んでいく。
リディックの特殊能力は、ただ暗視能力があるというだけで他は非常に高い戦闘能力だけだ。簡単に死なない、ほんとうにそう思えてくる頭の切れと運動能力は、驚異的だ。この映像世界に登場するのは、弱い民衆とそれを支配しようと権力闘争をする軍人たちだけだ。つまり、善と悪ではなく、強者と弱者だけだ。弱者は生き残るために手段を選べないのだ。全く、すごい映画が登場した。スターウォーズやスタートレックの世界ではない。
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