とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver

これは面白い映画です。上田慎一郎監督・脚本・編集で作られたゾンビホラー映画、コメディ、ファミリードラマという色々な要素が含まれた作品だ。冒頭の37分をワンカットで撮影したホラー部分と、そのあとのドラマの組み合わせが秀逸だった。この映画を見ていて、何か似た映画があったなと思っていた。帰宅してイタリアの映画の撮影所を舞台にしたやつで、映画の裏側を紹介する作品だなと思った。

それは、フェデリコ・フェリーニの「インテルビスタ」だった。甘い生活の登場人物が実際に出てきて、その撮影秘話を語る。

インテルビスタというのは、インタビューという意味だ。日本の取材者にフェリーニが質問に答えるという形を取っている。その中で印象に残っているのは、車の後ろに列車の形をした箱を引っ張って市電が走っているシーンを撮影する場面だ。市電を模した箱は半分しかなく、撮影隊は外からカメラを向けている。半分の箱の中で役者が芝居をして、いかにも電車の中のシーンだと思わせるものだった。このように映画は、カメラが写ってしない場所は相当の省略がある。