響ーHIBIKIー

『響~小説家になる方法』という柳本光晴の漫画を、欅坂48の平手友梨奈主演で映画化された作品だ。ヤクルトミルミルのCMの女の子というとピンとくる。なんと欅坂ではセンターを務めているらしい。わてはそこまで知らなかったけど、存在感があるなと思っていた。監督が彼女を指名して主演にしたという。これは、平手友梨奈のための映画であろうと思う。初主演の初映画で、周りのベテラン俳優を飲み込む存在感は並の女優ではないと思った。

鮎喰響(平手友梨奈)は反応が知りたかったので、デジタル原稿でなく手書きで新人賞に応募した。たまたま編集者の花井ふみ(北川景子)の目に止まり、デジタルに起こして応募されて新人賞を取ってしまう。賞を受賞するためには住所氏名電話番号が必要になるけど、それを伝えていないのだから神経が太い。高校で文芸部に入るために上級生の男子の喧嘩も受けて立ち、勝ってしまう。しかもその男子を部員として丸め込む。

国際的に有名な作家を父に持つ祖父江凜夏(アヤカ・ウィルソン)と本の好みを巡って自分の主張を曲げないし、ピンタの応酬という喧嘩もする。それでも、友情はしっかりと保っている。その友人をバカにした有名作家には、回し蹴りをくらわす。新人賞を同時に受賞した相手をパイプ椅子で殴りつける。まさにプロレスみたいだ。だが、その相手ともしっかりと仲直りする。

極めつけは、芥川賞と直木賞を同時受賞した後のエピソードだろう。10年間目が出なかった作家(小栗旬)が踏切に飛び込もうとしたのを自分が線路側に入って説得するシーンだ。10年間目が出なかったら、11年目も書き続けたらいい。本を出せていることは誰かを感動させていることじゃないのか。私なんか、同時受賞した作品でも満足していないよと命をかけて説得するのだ。

その姿勢こそが、「小説家になる方法」なのだと思う。本を月に20~30冊読んで、小説を書くのも楽しくてたまらない。そして、大物作家に対しても物怖じすることなく批判する。この図太い神経と向上心と独特の個性を持ってすれば、小説家になれるだろうと思う。そんな主人公を見事に演じきった平手友梨奈は恐るべき将来性を持っている。



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