東京慈恵会医大附属病院整形外科、斉藤充骨粗しょう症研究

TBS「夢の扉」で、「東京慈恵会医大附属病院整形外科の講師斉藤充氏の骨粗しょう症研究」が紹介された。骨粗しょう症は、日本で1000万人以上の患者がいると言われている深刻な病気だ。高齢者になるとこの病気になりやすく、特に女性に多い。斉藤充氏は高校時代サッカーに所属して、選手の怪我に関心を持った。そして、慈恵会医大に進学したけど恩師の急死によって研究を引き継ぐ決意をした。その内容は、骨粗しょう症にコラーゲンからアプローチするものだった。

周囲の研究者からはとんでもない方向から研究していると相手にされないが、斉藤氏は研究を続けた。新しく実験装置を試作する毎日を積み重ねる。そして、ついには体内に存在するコラーゲンを分析する装置を完成させる。その装置を使ってデータを蓄積して新しい知見を得る。その結果、平成16年度から22年度までで日本骨代謝学会などから11個の賞を受賞した。

今までの骨粗しょう症の常識では、カルシウムの不足によって起きると考えられていた。骨密度が骨粗しょう症の診断基準になっていた。斉藤氏の研究によると、カルシウムのほかにコラーゲンが関係しているとわかった。骨の中に含まれているコラーゲンが重要であるという。丈夫な骨は弾力性が必須だ。鉄筋コンクリートで例えると、鉄筋がコラーゲンでコンクリートがセメントだという。鉄筋の役目をコラーゲンに錆のようなものがつくと、骨が折れやすくなる。

さびのようなものがつくと、悪いアミノ酸が骨に蓄積して茶色になる。一旦そうなると、健康な骨の半分の力で簡単にひびが入ってしまう。骨に弾力がなくなり、折れやすくなるのだ。従来の説では骨密度が70%以下で骨粗しょう症になると言われていた。でも骨密度が高くても骨折しやすい人がいるとわかった。骨粗しょう症の患者さんには、骨密度と骨質(コラーゲンの質)の二つの指標が必要になった。
骨密度が良くても骨質が悪いと1.5倍、骨密度が悪くて骨質がいいと3.6倍、骨密度が悪くて骨質が悪いと7.2倍健康な人よりも骨折しやすい。

なぜ骨のコラーゲンにさびが付着するかというと、血液中のホモシステインという悪玉アミノ酸が影響しているとわかった。血中や尿中のペントシジンの濃度も関係していた。既往症として、糖尿病・高血圧・動脈硬化・腎機能障がい・慢性閉塞性肺疾患があると、骨質を悪化させる。

斉藤氏らのグループでは、骨質を改善する薬を開発する。骨粗しょう症の治療には、骨質をよくする薬とビタミン(ビタミンB・葉酸・ビタミンK・D)を併用することがいいという。斉藤氏は、骨質をよくする薬を保険適用できるように全国各地を講演して回っている。

骨粗しょう症の予防のためには、バランスの取れた食事を取ることが大切だ。ファーストフードばかり食べている食生活は、いけないらしい。特に効果のある食材は、ブロッコリー・ニンニク・鳥のササミ・マグロの赤み・サンマなどがいいという。西洋人に比べて、日本人は血液中のホモシステインが増えやすい。だから、食事にはいっそう気を使いましょう。ゴロゴロ。



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